本研究の目的は抗がん剤曝露防止に必要な教育プログラムを開発することである。教育プログラムを検討するなかで、実際の医療施設においてがん看護に専門的に携わり、看護職者への教育的役割を担うがん化学療法看護認定看護師やがん看護専門看護師が実際に実施している対策や教育に関する先行研究が見当たらなかったため、調査の必要性が生じた。そのため、今年度は医療施設で働くがん化学療法看護認定看護師およびがん看護専門看護師を対象とした質問紙調査を実施した。調査内容は、基本属性、抗がん剤曝露予防に関する認識、実際に臨床で実施している曝露予防対策や看護職者に対し実施している教育内容などとした。これらの現状と課題を明らかにすることにより、有用な教育プログラムの検討が可能となる。現在、回収した質問紙の内容について分析中である。 本研究の当初の計画では、開発した教育プログラムを用いて介入を行い、その効果を検証する予定であったが、実施には至らなかった。しかし、抗がん剤曝露予防対策は看護職者の健康と安全のために必要不可欠であると考えられるため、今後は、今年度実施した調査結果や、平成24年度に実施した抗がん剤曝露予防の研修会の調査結果を踏まえ、有用な教育プログラムを継続して検討していく予定である。
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