人力による移乗介助(以下、人力移乗)と、リフトを使用した移乗介助(以下、リフト移乗)を比較し、骨腫瘍患者に対する疼痛緩和を目的とした移乗方法の検討を行った。健常者を対象に検証した結果、移乗時の接触面にかかる圧力は、リフト移乗では被介助者の身体に集中的に圧がかからないことが示された。また、リフト移乗では、生理学的指標の変化も少なく、穏やかな動きにより被介助者の身体が徐々に変化に適応することが考えれられた。骨腫瘍のある患者を対象とした結果、リフト移乗では、移乗中の患者の表情を観察する、コミュニケーションをとる、疼痛部を支えながらの移乗が可能となり、疼痛を増強させない移乗につながると考えられる。
|