福島原子力発電所事故時に妊娠中の女性を対象にその後の家族支援のあり方を模索するために研究計画を立てていたが、福島在住の対象者がいろいろな研究機関からの調査対象となり疲労を抱えていた。そこで、原子力発電所事故の影響で福島県外へ母子避難をしている方を対象に家族支援を行った。 アクションリサーチとして、現地で子育て支援をしている団体の協力を得て避難者交流施設で、リラクゼーションやおしゃべり、子育て相談を目的として支援を行いながら調査をした。リラクゼーションでは、母親の要望をきき、エッセンシャルオイルを使用した化粧水、クリーム作り、手作り石鹸作り、キャンドル作りは子どもと一緒に楽しく実施できた。避難者との会話の中では、使用されている食品の心配などが多く聞かれた。子育て相談では発達に関する相談が多く、発達が遅いような気がする、子どもが落ち着きがなくて困るなどがあげられた。またのう胞ができているといわれており心配、次回の妊娠時に何も本当に影響はないのかという相談も聞かれた。 面接調査の結果では避難する過程であてもなく避難してきたが、現地でサポートをうけ、母子は生活していた。しかし、夫は福島に残っており、2重生活の苦悩(金銭面含め)、周囲の理解が得られないこと、子どもと父親を話してよいものかどうか、子どもの健康を考え今後どのようにしたらよいかを常に考えていた。しかし、夫とはなれての生活であり、たまに夫と会えても子どもとの時間や家族との時間を大切にしたいという思いもあること、子どもがいたのではなかなか話ができないという状況もうかがえ、すでに震災から4年が経つが、避難者のサポートはこれからも継続していく必要があると考える。
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