研究課題/領域番号 |
24792427
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中西 啓介 信州大学, 医学部, 助教 (10464091)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 植込み型除細動器 / 探索的研究 / 高齢者 |
研究概要 |
本研究は、植込み型除細動器を移植した患者に対する看護支援方法開発の礎の構築を目指し、65 歳以上の患者を対象とした探索的研究を展開してきた。 本年度の研究実施計画は、主にデータ収集であった。この計画に基づき、約10名の研究協力者に対してインタビューを行い、本格的な分析を行う上でのベースデータを得た。このベースデータを分析した結果と、本研究を行うにあたり事前に行っていた壮年期(65歳未満)患者に対する研究結果との対比から、当該領域の看護実践にとって重要な示唆が得られる見通しがついた。 具体的な内容は次のようなものである。壮年期患者を対象とした研究の結果は、ICDを植え込んだことによる種々の制約の中で、【どのように子どもを育て、どのように家庭を維持したらよいか】というような、ICD移植によるマイナスの側面と生活の両立を目指したマネジメントが特徴的であったと言える。一方で、今回得られた高齢者のベースデータからは、植込み当初よりICDに対する拒否感や葛藤が比較的少なく、【機械を入れたおかげて、長く生きられるのであれば、有難い限りである】というように、延命に貢献するlife extender(Duru,2001)としてのプラスの側面を強く認識し、享受しようとする姿勢であることがわかってきた。 このことは、ICDを植え込んだ成人患者に対して看護を展開するにあたり、より個別的で、ライフステージを考慮した看護実践の重要性を示唆している。したがって、本研究を次年度も継続することにより、ICD植込み患者の看護の発展に貢献する見通しがついたという点で、意義ある成果が得られたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、植込み型除細動器を移植した患者に対する看護支援方法開発の礎を構築することである。本年度の研究実施計画に基づき、予定通り約10名の研究協力者にインタビューを行い、本格的な分析を行う上でのベースデータを得ることができた。このベースデータを分析した結果と、本研究を行うにあたり事前に行っていた壮年期(65歳未満)患者に対する研究結果との対比から、当該領域の看護実践にとって重要な示唆が得られる見通しがついた。 具体的な内容は次のようなものである。壮年期患者を対象とした研究の結果は、ICDを植え込んだことによる種々の制約の中で、【どのように子どもを育て、どのように家庭を維持したらよいか】というような、ICD移植によるマイナスの側面と生活の両立を目指したマネジメントが特徴的であったと言える。一方で、今回得られた高齢者のベースデータからは、植込み当初よりICDに対する拒否感や葛藤が比較的少なく、【機械を入れたおかげて、長く生きられるのであれば、有難い限りである】というように、延命に貢献するlife extender(Duru,2001)としてのプラスの側面を強く認識し、享受しようとする姿勢であることがわかってきた。 このような発見は、高齢者も含めてICDを植え込んだ成人患者の看護支援の基礎となる可能性を秘めていると考えられ、本年度に展開してきた研究が当初の研究目的の達成にむかって、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初からの平成25年度計画に基づき、データ分析と発表・投稿を行う。分析は予定通り修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)とし、M-GTA研究会のサポート得ながら展開していく。研究を遂行する上での課題としては、本年度予定していたものの、延期された、分析のスーパーバイズ(SV)である。SVは分析の質を担保する上で重要な位置を占める。したがってSVを確実に次年度に早々に行えるよう調整を図り、研究の遅延を回避する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた分析のスーパーバイズ(SV)が次年度に延期されたことを主な理由として、次年度使用額が生じた。これと次年度の請求額と併せた研究費は、SVを受けるための指導料・旅費や国内/国際学会参加費用・旅費、データ起こし費用等に使用する計画である。
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