植込み型除細動器(ICD)を移植した患者への看護支援開発の礎にすることを目指し,65歳以上の患者がICDとともに生きるプロセスモデルの構築を試みた.8名から得た面接データを,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した結果,高齢の患者にとってICDとともに生きることとは,移植後に強化された“健康が第一”という信念を基底にして,次第に“ICDの存在を忘れていく”までの過程であった. この結果には,社会的役割の担い手としての終盤にいる高齢者の特徴が反映されており,本研究に先行して実施した壮年期患者の研究成果と併せて,成人患者のICDとともに生きるプロセスを明らかにするための基礎資料を得た.
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