研究課題/領域番号 |
24792428
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
寺内 英真 信州大学, 医学部, 講師 (60377679)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 周手術期看護 / 術後せん妄 / 発症要因 / 発症予測 / スケール開発 |
研究概要 |
本研究は、術後せん妄発症予測スケールの開発を目指し、①術後せん妄の発症状況と発症要因の把握、②発症要因の重み付けから予測因子の探索、③術後せん妄発症予測スケールの開発を目的に実施するものである。 この研究目的をもとに、平成24年度は術後せん妄の発症要因に関する文献検討と文献に基づいた術後せん妄発症予測に関連した要因の抽出を行った。その結果、高齢(70歳以上)、視覚障害、認知機能・見当識障害、多剤の使用、低栄養状態などが抽出され、回帰分析などで要因の重み付けが行われている研究も散見されていた。しかし、これらの研究は内科系疾患患者を対象とした研究が多く、術後せん妄患者を対象とした発症要因の重み付けの行われた研究はあまりみられない。この状況から、現在せん妄・術後せん妄での共通要因の抽出と術後特有の要因との分別などを実施している。 また、術後せん妄の発症に関する概念枠組みについても検討を行っている。これについては、研究者が以前実施した研究の結果より作成した術後せん妄発症に関与する要因モデル(案)及び、せん妄発症要因間の関係性(Lipowski、一瀬)などから術後せん妄発症予測の理論枠組みの構築と概念枠組み(案)の作成を行っているところである。この理論枠組みの構築及び、概念枠組みの作成はスケール開発において背景・根拠となるものであり、きちんと検討しておく必要のあるものであるため、時間をかけて行っている。同時に研究計画書の作成を行っており、スケールの検証について検討中である。概念枠組みの作成とスケール検証の検討が終了し次第、各施設での倫理審査の申請を行う予定である。研究フィールドについては現在2施設に依頼をしており、研究内容と施設での協力体制と依頼に関しての調整を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の術後せん妄発症予測に関する理論枠組みの構築及び、概念枠組みの作成を重要性から、この点について時間をかけて検討を行っていること、研究計画書を作成において研究手順の内容検討に予定より時間がかかっている。また、データ収集のためのフィールド開拓と調整で時間がかかっているため、当初の予定より研究の進行が遅れている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の7月頃に研究倫理審査申請を行い、研究施設における術後せん妄発症状況及び発症要因に関する実態調査を行う。その結果を元に、せん妄研究者と臨床経験4年目以上の看護師による術後せん妄発症の予測に関連する要因の抽出を実施する。予測関連要因の抽出結果から、術後せん妄発症予測スケールの原案を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在、概念枠組みの作成を行っており、せん妄研究者との意見交換と検討がまだ必要な状況である。このため頻回に検討を行う必要があり、出張費・会議費などの費用が必要となる予定である。また、平成25年度より術後せん妄の発症状況と発症要因に関する現状把握・調査のため、研究フィールドでの調査費用が必要となる。さらに、得られたデータの入力・分析などに必要な人件費、物品費等の使用も予定している。
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