THAを受けた患者に退院指導を行っている看護師を対象として、作成したTHAを受けた患者に対する日常生活情報提供システムについてのユーザビリティ評価を実施した。 【方法】同意の得られた看護師にセルラー版タブレット端末とシステムの使用方法の説明を文書と口頭で説明し、10日間程度タブレット端末を貸し出し、システムを利用してもらった。10日間程度後、ウェブユーザビリティスケール(WUS)を用いてユーザビリティ評価を実施した。 【結果】看護師5名が研究に参加し、WUSの結果は以下の通りとなった。「好感度」3.8、「役立ち感」3.1、「信頼性」3.9、「操作のわかりやすさ」4.1、「構成の分かりやすさ」3.9、「見やすさ」3.3、「反応の良さ」4.4。 【考察】「役立ち感」と「見やすさ」が他の評価軸より低いという結果であった。「役立ち感」については、提供している内容がニーズに適しているものと適していないものが存在する可能性がある。そのため、内容について再検討する必要がある。「見やすさ」については、特に動画がピンチアウトをしなければ大きくならないため、低い評価であったと考える。実際のユーザは高齢の方が多いため、できるだけ操作が簡便である必要がある。「反応の良さ」は他の評価軸より高かった。通信状況や操作の熟練度などに関連するが、タブレット端末の画面反応比較で反応速度がもっとも速いものはiPad miniである。今回使用したタブレット端末はiPad miniであったため、タブレットそのものが持つ反応速度も関連していたのではないかと考える。 【結論】「役立ち感」と「見やすさ」が他の評価軸より低いという結果であった。今後は内容について再検討を行うことで、有用なシステムとなる可能性があると考える。
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