H25年度に研究対象とした糖尿病患者37名の追跡調査として、下肢の浮腫の有無、BNP値との相関を検討したが、有意な相関は認められなかった。 また、血管走行パターンの妥当性を確認するため、糖尿病専門医1名、腎不全看護を専門とする看護師資格を有する大学教員1名に依頼し、静脈可視化装置を用いて撮影した足画像(足背表在血管)を検討してもらい、拡張、狭窄、網膜状の画像の有無や走行パターンについて画像解析を行ってもらった。その結果、研究代表者と同様の結果が得られ、目視による足背表在血管の確認の結果が一致することが明らかとなった。 さらに、赤く表出される血管画像部分の面積、ドット数、周囲の長さを数量化することを(株)インテグラル社の協力を得て試みたが、赤色に表出された表在血管画像の色調のみで境界部分の区分をすることが難しく、また、いくつかの条件設定を変更して算出を試みたが、走行パターンの異常の有無による有意差を認めることはできなかった。本研究において、足の表在血管画像を数量化することは難しかったが、定性的には表在血管障害の有無を確認することができること、判定者による誤差がないことから、表在血管障害の有無を確認するための指標としては、有用であると考えられた。静脈可視化装置Stat Veinは、簡便な操作で足の表在血管を描出できるため、今後は、フットケア専門外来において使用し、スクリーニング的に足の表在血管障害の有無を評価するのに使用する予定である。
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