平成26年度は昨年度に引き続き、研究の第1段階として従来教育群(対照群)のデータ収集を継続した。本研究では対象者において、入院前外来受診時、入院当日、退院前日、退院後初回外来受診時の4回にわたってアンケート調査を実施している。3月時点で研究協力への同意が得られたのは38名であった。そのうち、データ収集ができたのは、入院前が38名、入院当日が29名、退院前日が27名、退院後外来受診時が25名であった。従来教育群(対照群)は30名の症例を目標としており、目標症例数に近いデータが収集できた。 さらに、平成26年度は胃切除術を受ける患者のプレパレーション教育教材の開発に着手した。プレパレーション教育教材は、手術や麻酔に対する術前オリエンテーションや呼吸訓練、胃切除術後の食事摂取方法や胃切除術後愁訴の対処方法についてのパンフレットと視聴覚教材の作成を予定していた。平成26年度はパンフレットの作成まで実施できた。視聴覚教材の開発とプログラムの介入・評価までは至っておらず、今後も継続して胃切除患者の教育プログラムの開発を行っていく。 また、胃切除患者の教育プログラムを開発するにあたり、告知後早期からのプレパレーション教育だけではなく、退院後の療養生活をもシームレスに支援していくことが必要である。そこで、今後は、入院前から手術後の期間を対象とした本研究のプレパレーション教育プログラムだけではなく、退院前から退院後にわたり継続される胃切除後の療養生活支援につながるような介入プログラムの開発も行っていく予定である。 今後継続されるプログラム開発のため、平成26年度は日本看護研究学会や日本看護科学学会等の学術集会に参加し、新しい知見の情報収集や、他の研究者や医療者との情報交換を行うことで、研究者としての自己研鑽に努めた。
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