研究課題/領域番号 |
24792438
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
福山 美季 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (40452875)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 熟練看護師 / 白血病 / 高齢患者 / 看護 / 修正版グラウンデッド・セオリー |
研究実績の概要 |
本研究では、白血病の高齢患者の闘病生活を支援する熟練看護師の支援プロセスについて明らかにすることを目的として、熟練看護師9名にインタビューを実施し、修正版グランデッドセオリーを用いて分析を行った。分析の結果、熟練看護師らは、ケアを行う土台として初回の入院直後から高齢患者との【個体個の関係構築】に努め【ケアの基盤としての患者理解】と【ネットワークへのアクセス】を継続的に行っていた。そして、熟練看護師は高齢患者の【長い闘病生活を最大限に支える】ことをモットーに【安全な治療遂行】【副作用のマネージメント】【好ましい清潔習慣獲得への支援】【日常生活動作への働きかけ】【患者の時間・空間の確保】の5つの視点で高齢患者のケアに取り組んでいた。また、熟練看護師は、これらの5つの視点を常に意識しながら【ケアの基盤としての患者理解】と【ネットワークへのアクセス】を実施していた。以上述べた熟練看護師の支援プロセスには【白血病の高齢患者・患者への看護の実体験】が活かされていることが明らかとなった。これらの結果を受けて、熟練看護師らによる[安全基地として存在する][じっくり聞く]といったコミュニケーション能力・多岐に渡る観察力や情報収集力・理解とやる気を促す患者教育の工夫・[常に気にかけ確認する][訴えやすい雰囲気作り]に努めながらの積極的な副作用のマネージメント・患者の尊厳にも考慮した安全管理・[ゆとりのない入院生活]の中での[可能な限り快適な入院生活を演出する]ための働きかけ・患者の自立や回復を考慮した生活への援助・看護師間、チーム医療の中でのリーダーシップについて考察を行った。本研究において明らかにした熟練看護師の白血病の高齢患者への支援プロセスは、臨床での白血病の高齢患者へのケアの振り返りや向上に十分寄与できるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年の3月の段階で、分析は終了し、現在、分析結果を受けての考察を進めている段階にある。考察についても、国内の文献をもとにした考察の段階は終えており、現在、海外の文献を収集し、より、広い視点での考察を進めている段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、4月~5月にかけて、海外の文献の収集とそれらの文献をもとに考察を進める予定である。6月には、英文化し、「Leukemia Research」への投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年中に、論文化を終え、英文化を予定していたが、分析に時間を要し、今年度は、日本語での論文を書き上げるところまでになったため
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次年度使用額の使用計画 |
論文の英文化の費用に使用し、Leukemia Researchへの投稿を考えている。また、研究協力者への結果報告書への作成に使用予定である。
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