研究課題/領域番号 |
24792441
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
中井 夏子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (80554097)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 救急医療 / 医療職者 / 蓄積的疲労 / チーム医療 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労とその要因の関係について探索することである。 平成24年度に実施した救急医療に携わる医療職者の疲労の実態についてインタビューした結果を基に質問紙を作成し、平成25年度に全国の救命救急センターに勤務する医療職者を対象に当該医療職者の蓄積的疲労の実態と特徴およびチーム医療への思いについて質問紙調査の準備を整えた。平成26年度は質問紙調査の第一段階として、全国266施設の救命救急センターに勤務する医療職者数について実態調査を行った。結果、協力の得られた50施設のうち、救急医療に携わる医療職者のうち最も多いのは看護師で2670名(50.9%)であり、次いで医師671名(19.4%)であった。薬剤師、臨床工学技士、理学療法士が専任で勤務している施設は半数の50.9%であった。第二段階の調査として、協力の得られた49施設に勤務する医療職者3457名を対象に研究者らが独自に作成した質問紙調査を実施した。結果、医療職者1014名(29.3%)より回答を得た。調査結果を集計、分析を行った結果、救急医療に携わる医療職者の疲労の実態には職種に伴う差異があることが示された。 今後、調査結果を検討し、救急医療に携わる医療職者の離職要因である蓄積的疲労の実態と特徴を明らかとするとともに、チーム医療を担う各医療職者の思いの実態について学会等で公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労とその要因の関係について探索することである。平成26年度は、救急医療に携わる医療職者を対象に全国調査を実施した。当初の予定では、平成26年度に研究を終了し結果の考察を進め学会等で公表する予定であったが、研究者の妊娠、出産、育児に伴い研究期間を延長したため、平成27年度に継続して検討を進める。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、平成26年度からの継続課題である質問紙調査の結果を分析、検討する。その後、以下について実施する予定である。1.調査で得られた結果を学会等で公表する。2.分析結果を病院施設の管理者および実践者と共有し臨床機関および教育機関へのフィードバックを検討する。なお、いずれの分析においても研究者の所属する施設の質的、量的研究に卓越した研究者と附属する病院施設の臨床看護師数名よりスーパーバイズを受けて実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の研究費に残額が生じたのは、質問紙調査に協力の得られた施設が予定よりも少なく対象者数が減少したため郵送費が見込みよりも減額されたためである。また、研究者の妊娠により予定していた学会に参加することができなくなり旅費がかからなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の研究費は、1.学会発表等の旅費、発表に伴うポスター等の資料の費用2.質問紙の分析に関わるソフトウェアの購入、3.備品、消耗品等、4.分析に必要な文献、資料に関わる費用、5.結果の公表に伴い助言を受ける謝金に使用する予定である。
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