本研究は、救急医療の「チーム医療」構築を検討する基礎資料として、救急医療に携わる医療職者の蓄積的疲労の実態とその要因を明らかにすることを目的としている。方法は、①全国の救命救急センターに勤務する医療職者の母集団の把握、②救急医療に携わる医療職者へのインタビュー、③救急医療に携わる医療職者に対する横断的質問紙調査を実施した。その結果、全国の救命救急センターに勤務する医療職者は医師、看護師が中心であり、薬剤師、放射線技師、臨床工学技士、理学療法士の専任配置の状況と課題が明確になった。また、救急医療に携わる医療職者の疲労は「チーム医療」構築の阻害要因となること、医療職者の専門性により疲労の内容の共通性と相違性があること、疲労の内容は重症患者や緊急処置への治療・看護と医療職種間および患者、家族との関係性に分類されることが明らかになった。
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