本研究は、関節リウマチ患者とその配偶者の生活の歴史を当事者の視点で捉え、身体的・心理的・社会的な文脈を含めた生活史とそこでの配偶者との相互行為を明らかにし、関節リウマチ患者とその家族のQOL向上のための援助方針を導こうとするものである。今年度は、60代・40代関節リウマチ患者とその配偶者へのインタビュー調査を継続し、質的に分析を重ねた。その結果から、関節リウマチ患者とその配偶者らが、疾患の進行や加齢による身体機能の低下を受容し、家庭内の役割を変容させながら家族とともに新たな生活調整を試み続ける過程が明らかになった。また、自己の生活史を肯定的に捉え自己効力感を高めることが、生活調整を試みる原動力となっていた。今後は、関節リウマチ患者とその配偶者らが、自己の生活史を肯定的に捉えられる場の創生が課題である。
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