研究概要 |
平成22年度~平成23年度の研究成果として、プレアルコホリックの認識とその変化を報告した。ここで、プレアルコホリック(問題のある飲酒行動)を反映していると解される4つの段階(4コアカテゴリー、12カテゴリー、33サブカテゴリー)が示された。この中から、プレアルコホリック(問題のある飲酒行動)に関する97項目、プレアルコホリズムの臨床類型(樋口,2003)及び飲酒量と血中アルコール濃度および酔いの程度との関係(アルコール保健指導マニュアル研究会,2003)から10項目、2型アルデヒド脱水酵素の活性型,低活性型,非活性型の比較(樋口,2003)から1項目と、飲酒動機尺度を参考に45項目の、計153項目を質問項目として抽出した。これらは、「飲酒動機」、「飲酒の認識」、「飲み方・酔い方・飲酒に伴う直接的な変化」、「身体的状態」、「精神的状態」、「社会的な影響」に分類されるものと解された。 「飲酒動機」とは、アルコールを用いる理由であり、「飲酒の認識」とは、アルコールの作用・有害作用や自己がアルコールを使用する際の認識、「飲み方・酔い方・飲酒に伴う直接的な変化」とは、各段階での特徴的な飲み方や酔い方、飲酒に伴い出現する言動等を示したものである。また、「身体的状態」・「精神的状態」・「社会的な影響」とは、アルコール摂取により生じる身体的・精神的・社会的状態あるいは問題である。これらを「よくあてはまる」から「まったくあてはまらない」の4件法(もしくは5件法)で評定する質問紙を作成し、内容妥当性の検討を行った。
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