研究課題/領域番号 |
24792454
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
西岡 裕子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10405227)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 周術期看護学 |
研究概要 |
下咽頭がん術後患者は、術後の摂食・嚥下障害によって、低栄養、脱水、誤嚥性肺炎、窒息による生命の危機にさらされるだけでなく、食べる楽しみの喪失によってもQOLが低下する。そのため、術後早期から適切な機能訓練を始めることが重要である。 術後の摂食・嚥下訓練は、医師の指示のもと主に看護師によって実施されるため、看護師による摂食・嚥下機能のアセスメントは重要である。しかし、下咽頭は、体表からは見えない構造であり、手術によって下咽頭の構造と摂食・嚥下の機能が変化してしまうため、下咽頭がん術後の摂食・嚥下機能のアセスメントは困難であると考えられる。そこで、本研究は、看護師が下咽頭がん術後の摂食・嚥下機能のアセスメントを容易に実施できるよう、下咽頭がん術後の摂食・嚥下障害のアセスメントに関して、術式から摂食・嚥下障害の状況を特定するまでの判断のプロセスのアルゴリズムを開発することを目的とする。 応募者が、頭頸部外科関連および摂食・嚥下リハビリテーション関連の著書を参考に、下咽頭がんの術式から摂食・嚥下障害の状況にナビゲートするアルゴリズム案を作成した。アルゴリズム案作成後は速やかに応募者の所属施設の研究倫理審査委員会において研究計画書の審査を受け、研究実施の許可を得たため、社団法人日本看護協会ホームページの摂食・嚥下障害看護の認定看護師登録一覧に登録されている摂食・嚥下障害看護認定看護師に対し、文書で研究参加の依頼を行った。 今後は、同意の得られた研究参加者に対し、開発したアルゴリズムの内容妥当性の評価を郵送法を用いて依頼し、回収された回答済みのアルゴリズム案をもとに、質的内容分析の技法を用いてアルゴリズム案を修正し、アルゴリズムが完成する予定である。アルゴリズムが完成した後、愛知県がんセンター中央病院にて、アルゴリズムの実施可能性を検証する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズム案を作成し、その内容妥当性の評価を研究参加者に郵送法を用いて依頼している。5月中に研究参加者の評価をもとにアルゴリズム案を修正してアルゴリズムを完成させ、その実施可能性を、7月から12月まで愛知県がんセンター中央病院において検証する予定である。データ収集と並行して分析を行う予定であり、平成25年度内に研究の成果をまとめることは十分可能である。
|
今後の研究の推進方策 |
5~6月:文書で研究参加の依頼を行い、同意の得られた研究参加者に開発したアルゴリズムの内容妥当性の評価を郵送法を用いて依頼する。回収された回答済みのアルゴリズム案をもとに、質的内容分析の技法を用いてアルゴリズム案を修正し、アルゴリズムを完成させる。アルゴリズム完成までの研究成果を第19回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会(開催地岡山県倉敷市・平成25年9月22日、23日)で発表する予定である。 7~12月:研究協力者の認定看護師が所属する愛知県がんセンター中央病院の倫理審査委員会において研究計画の承認を得た後、臨床経験2年以上有し且つ頭頸部外科領域臨床経験1年以上を有する臨床看護師15~20名、及び下咽頭がん術後7~14日目の患者10名程度に研究参加を依頼し、アルゴリズムの実施可能性を検証する。データ収集と並行して分析も適宜行う予定である。 1~3月:研究の成果のまとめ
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度研究費に未使用金が発生した為、平成25年度研究費と併せて下記の使用を計画している。 研究成果発表旅費:第19回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会(開催地岡山県倉敷市・平成25年9月22日、23日) 消耗品:インク・トナーカートリッジ、ファイル、印刷用紙(アルゴリズム、調査用紙、記録)、舌圧子(成人用)、酒精綿(単包入り)、病院用綿棒(直径8.0×150)、ディスポーザブル手袋、USBメモリ
|