研究課題/領域番号 |
24792469
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
瀬山 留加 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10412991)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | がん看護 |
研究概要 |
本研究の目的は、外来放射線療法に伴うがん患者と家族員が抱える心理・社会的苦痛のアセスメント方法、具体策、評価方法を明らかにし、多職種との協同・連携をふまえた包括的な支援モデルを提唱することである。そこで、平成24年度は、外来放射線療法を受けるがん患者と家族員が抱える心理・社会的苦痛に対する包括的支援モデルを開発するために、以下2つの因子探索研究を実施することを計画した。 1.外来放射線療法を受けるがん患者と家族員が抱える心理・社会的苦痛の明確化 これまで明らかにされている事象を整理するため、文献レビューを進めた結果、欧米においては外来放射線療法を受ける患者のうち、20~30%程度が不安や抑うつを訴えていることが明らかにされていた。それらの増悪因子としては、化学療法を併用していること、ソーシャルサポートが少ないことがあげられていた。また、そのような傾向を背景として、治療終了後に行うサポートグループ等の介入の効果も検証されており、一定の成果をが示されていた。しかしながら、患者、家族とも、治療プロセスにおける体験は明らかにされていなかったため、質的データを得ながら具体的支援を検討できるよう調査を始め、現在データを収集している所である。 2.外来放射線療法に従事する医療者の支援上の困難点の明確化 これまで明らかにされている事象を整理するため、文献レビューを進めた結果、同様の視点での報告がみられなかった。そのため、プレテストして診療録からの調査を行ったところ、根治的放射線療法と比較して、緩和的放射線療法に携わる医療従事者の方が困難を抱えるていることが明らかとなった。現在、看護師、医師の順にフォーカスグループインタビューによる、詳細な困難店を明確にしているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者の人数が不足しているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度で明らかにしようとした事象を早急に明確にするため、研究協力者の人数を増やすため、研究施設の追加を検討し、必要な調整を図る。その上で、平成25年度は、以下のように研究を行うこととする。 1.包括的支援モデルの原案作成 1)平成24年度の結果を基盤として、包括的支援モデルの概念枠組み、構成要素、構成要素の操作的定義、アウトカムの設定を行う。 2)1)の結果を、臨床化や看護研究社党と健闘し、包括的支援モデルの原案を作成する。 2.包括的支援モデルの評価に関する介入研究の準備 1)包括的支援モデルの原案を実施可能なシステムの検討やスタッフ教育を都市部と地方都市のそれぞれの施設で調整を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査対象者のリクルートが進まず、前年度は¥1,426の残金が生じたが、本年度も引き続き因子探索研究を進め、介入研究につなげる予定である。 本年度は、支援モデルの原案作成が研究目的の主となるため、専門家への謝金等も予定通り支出されると考えられるが、適正な運用を行い、研究の達成度を向上させていく。
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