研究課題/領域番号 |
24792470
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
北村 佳子 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (20454233)
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キーワード | 外来化学療法 / 消化器がん患者 / セルフマネジメント / 自己効力感 / QOL |
研究概要 |
外来化学療法を受ける大腸がん患者を含む消化器がん術後患者の具体的な症状体験とそれに対するセルフマネジメントする力を測定し、自己効力感、QOLとの関連について明らかにした。最終目標は、外来化学療法を受ける大腸がん患者のセルフマネジメント力を高めるためのケア基準を作成することである。平成24年度から調査開始し、2年目である平成25年度は外来化学療法を受ける消化器がん術後患者61名のデータを解析し、以下の結果を得た。 対象者の平均年齢は65.6±10.8歳。大腸がん38名(62.2%)、胃がん23名(37.7%)であった。対象者のうち43名(70.5%)に自覚症状ありと回答があった。外来化学療法を行う消化器がん術後患者の実態は、栄養状態の変化や排泄の変化を生じている者が多く、無症状を示すPerformance Status 0の患者でも心理社会的変化をきたしている割合が多かった。セルフマネジメント力では、行動の成果を評価する力を習得している患者の割合が低かった。また、自覚症状がある患者のセルフマネジメント力と自己効力感(r=.338)に有意な正の相関が認められた。以上のことから、患者自身で自分の行動に対する成果評価を適切に行えるような関わりが必要であり、その際の介入指標として本研究で作成したセルフマネジメント力調査項目が活用できることが示唆された。 研究結果は学会発表を行った。なお、現在研究結果をまとめ、日本がん看護学会に論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度前期で実施終了予定であった調査結果の解析、さらに論文作成に・投稿に時間を要したため。(期間としては計画よりおよそ半年間多く要した)そのため、第3段階のケア基準作成(平成25年10月~平成26年3月実施予定)は平成26年5月より着手する。
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今後の研究の推進方策 |
セルフマネジメント力を高めるケア基準を作成し、がん看護のエキスパートを集め、教育方法を提示し、ノミナルグループテクニック方法でケア内容を精選し、ケア基準を完成する。その後、ケア基準の有効性の検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定より、消耗品の購入や論文の英文翻訳料や逐語録に係る外注費のコストをおさえることができたため。 消耗品の購入、論文の英文翻訳料及び、研究協力施設、研究対象者に対する謝礼品として使用する。
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