研究課題/領域番号 |
24792473
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
稲垣 美紀 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (60326288)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セルフケア / 急性心筋梗塞患者 / 患者教育 |
研究概要 |
急性心筋梗塞患者が、退院後に実施しているセルフケア行動の内容を明らかにするために、急性心筋梗塞を発症後1カ月以上経過した患者21名、急性期病院の外来部門および病棟で急性心筋梗塞患者のセルフケア教育に関わる看護師15名の計36名にオープンエンドの面接調査を行った。面接調査で得られたデータをもとに逐語録を作成し、内容分析を行った。 心筋梗塞患者のセルフケアの内容は59コードに分類され、さらに31のサブカテゴリーに分類した。さらに、類似するサブカテゴリーをまとめ、【食事管理】【水分管理】【服薬管理】【運動管理】【活動と休息の管理】【ストレス管理】【嗜好品の制限】【受療行動】【日常生活の管理】の9のカテゴリーに分類された。 セルフケアには、急性心筋梗塞患者に特有なセルフケアが多く認められ、また行動の実践や継続が困難内容も多く含まれたため、個々の患者のセルフケアを把握し、重要なセルフケア内容から実践し、さらに継続していくためのサポートが重要であるといえる。 看護師の捉えている急性心筋梗塞患者のセルフケアの内容は39コードに分類され、さらに24のサブカテゴリーに分類した。さらに、類似するサブカテゴリーをまとめ、【食事管理】【水分管理】【服薬管理】【運動管理】【活動と休息の管理】【ストレス管理】【嗜好品の制限】【受療行動】【日常生活管理】【体調把握】の10カテゴリーに分類された。主に、患者と同様のカテゴリーであったが、看護師の評価の視点からの内容が多く含まれていた。また、【体調把握】は看護師特有のカテゴリーであり、その他のセルフケアの動機づけや自身の実践したセルフケアの自己評価につながる重要な内容であると考えられる。患者のQOLの向上を目指したセルフケアのためには、看護師が患者の実践しているセルフケアを把握し、動機づけの強化や自己評価や再調整を促すサポートしていく重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急性心筋梗塞患者が、退院後に実施しているセルフケア行動の内容を明らかにした。また、その結果をもとにセルフケアに関する評価尺度を作成し、信頼性・妥当性の検討を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の結果を基に、急性心筋梗塞患者のセルフケアに関する評価尺度を作成し、信頼性と妥当性を検討する。 また、開発した尺度および既存の尺度を使用し、急性心筋梗塞患者のセルフケアに関連する個人的要因や治療的要因を明らかにする。研究対象は、急性期病院に外来通院または入院している患者で、心筋梗塞を発症後1カ月以上経過している患者で、協力が得られた者約200名を対象とする。分析は、統計的処理を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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