研究課題/領域番号 |
24792478
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
京極 真 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50541611)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 信念対立 / 信念対立解明アプローチ / 尺度開発 |
研究概要 |
【目的】本研究では、信念対立評価システムを開発するために、内容妥当性が確保された項目プールを作成した。 【方法】本研究は3段階からなる尺度構成法を採用した。第一段階では、信念対立評価システムの構成概念を検討するために、看護師を中心にした多職種に対して信念対立に関するアンケート調査を実施した。アンケートは研究室メンバー9名の討議を経て、信念対立の頻度、対象、結果等から構成される質問文を作成した。アンケート結果は集計し、百分率を算出した。アンケート調査の結果と先行研究の動向を踏まえて、信念対立評価システムの構成概念を整備した。第二段階では、第一段階の結果を踏まえて、信念対立解明アプローチ専門家2名が、関連する評価尺度を電子データベースとハンドサーチで収集し、項目プールを作成した。第三段階では、デルファイ法を用いて、信念対立解明アプローチ専門家7名が項目プールの内容妥当性を検討した。内容妥当性は先行研究を参考に、70%以上(7名中5名)の同意が得られれば確保されたと判断した。 【結果】構成概念は“職種間の信念対立”、“同職種間の信念対立”、“患者/家族と医療職種間”の信念対立だった。項目プールは各構成概念に対して15項目ずつ収集された(計45項目)。内容妥当性は2回の検討を行い、構成概念に適している項目プールに修正された。 【考察】本研究で明らかになったことは、第一に信念対立はチーム医療で必ず起きている、第二に信念対立評価システムの構成概念は(1)他職種間の信念対立、(2)同職種間の信念対立、(3)患者/家族と医療職種間の信念対立に整理できる、第三に信念対立評価システムの項目プールは関連する評価尺度から直接援用できず加筆修正を通して独自の項目にする必要である、第四に45の項目プールの内容妥当性が確保された、であった。以上から信念対立評価システム試作版を作成することができると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究計画書では、当該年度で内容妥当性が確保された項目プールを作成すると予定していた。当該年度はその研究計画書の通り、内容妥当性を確保した項目プールを作成することができた。したがって、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
・信念対立評価システムを開発するためには、内容妥当性が確保された項目プールの基準関連データを収集し、項目の選別を行っていく必要がある。基準関連データは国際的に使用されているJCQ、BDI-IIによって収集する。 ・収集したデータから項目分析、相関分析、回帰分析、因子分析を行う。それによって項目プールから項目の取捨選択を行い、併存的妥当性、予測的妥当性、内的整合性、因子妥当性を備えた尺度構成にしていく。 ・尺度構成は計10前後を目指していく。信念対立評価システムを少数の項目からなる構成にすることによって、臨床現場で使用しやすいものにしていける。
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次年度の研究費の使用計画 |
【当該助成金が生じた状況】 ・文献複写費、人件費・謝金、旅費などの変更に伴い当該年度中に使用することができなかった。 【次年度の研究費の使用計画】 ・研究費は郵送費、印刷費、出張費、物品・機器購入費、ソフトウェア購入費、文献購入費、学会発表費、英文校正費、論文投稿費、リサーチアシスタント費などに使用する。郵送費、印刷費、出張費は研究協力者に研究を依頼し、データ収集を遂行するために必要である。物品・機器購入費、文献購入費、ソフトウェア購入費、リサーチアシスタント費は研究の遂行に必要な環境を整えるために必要である。学会発表費、英文校正費、論文投稿費は研究成果を公表するために必要である。
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