研究実績の概要 |
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:以下RA)は、関節の疼痛と変形を主徴とする全身性の炎症性疾患で、30~50歳代の女性に好発し、原因については未だ明らかではない。RAの臨床経過は多様であるが、発症後2年以内に関節破壊が最も急速に進行すると報告されており、機能障害の進行を遅らせるためには、発症早期からの治療介入が重要であり、その過程においては患者自身が適切に自己管理(セルフマネジメント)できるよう支援することが重要となる。しかしながら、早期RA患者に対する自己管理行動の支援の方法については未だ効果的なアプローチ法が解明されていないため、早急な対応が必要である。本研究では、発症早期にあるRA患者の自己管理の能力を育成するための支援システムを構築することを目的としている。 令和元(2019)年度は、1)A県内のリウマチ科専門外来に通院しているRAの発症から約1年以内の早期RA患者12名(男性4名、女性8名)を対象に、面接調査(インタビュー)及び質問紙調査(アンケート)により、早期RA患者の自己管理行動に関する縦断的調査を実施した。また、2)公益財団法人日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師(以下、リウマチケア看護師)として、財団のホームページに掲載(令和元年8月20日付)されている看護師1,161名対象に、発症早期にあるRA患者及び家族に対する支援の実態について質問紙調査を実施し、567名から回収が得られた(回収率48.8%)。研究実施計画として予定していた早期RA患者の家族の支援ニーズに関する調査は、発症1年未満の早期RA患者の希少性ゆえに家族への調査協力依頼が困難な状況があり実施できなかった。また、令和元年度は期間内に成果発表に至らなかった。
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