研究課題/領域番号 |
24792480
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 由紀子 東北大学, 大学病院, 看護師 (20596100)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発達障害 / 子ども / 意思尊重 / 家族 |
研究概要 |
1.発障害の子どもと養育者が療養生活のなかでどのような困難さをかかえているのか、どのような支援を必要と感じているかについて把握するため子どもと養育者それぞれにインタビュー調査を実施した。現段階で,子どもと養育者各3名にインタビューを実施した。継続してインタビューを行い対象を増やしていく予定である。また、発達障害の場合との比較を行うため,血液疾患や心疾患等,発達障害以外の障害や疾患の子どもと養育者各8名にも同様のインタビュー調査を行っている。 これらは現在,分析作業中である。 2.看護師22名、医師8名を対象として、子どもと家族の意思を尊重した支援を行う際に何を課題としているか等のインタビュー調査実施した。【成果】「どのような場面で子どもと家族の意思を尊重した支援が必要になるか」という質問に対しては[(治療等の)選択が必要なとき],[病気によって子どもの日常生活が変化するとき],[悩みや不安が予測されるとき]の3つのカテゴリから構成されており,治療等で子どもや家族が何らかの決断をする状況や,退院前の復学や就労等について検討する状況が含まれていた。また,「子どもと家族の意思を尊重した支援はどのように行うのが効果的か」という質問に対しては[看護師が子どもにとっての良い方法を考え,がんばりを評価していることを子どもに示す],[家族の課題をアセスメントし,より具体的な支援を考え提供する],[子どもと家族をとりまく人たちと連携すること]の3つのカテゴリから構成されていた。 支援が必要な場面は復学や就労など子どもの成長・発達による外的環境の変化に影響を受けるものも多くあった。このように成長・発達の過程にある子どもと家族が直面する課題は多様であり,看護師には子どもの発達段階に応じた支援の提供が求められていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発達障害を持つ子どもと養育者のインタビュー調査は,対象者を増やしている段階であるが,発達障害を持つ子どもの支援に実際にかかわっている看護師と医師のインタビュー調査は終了している。分析に関しては,発達障害に特徴的な要素の抽出を行うこと,医療者と養育者が考える支援のあり方の相違を詳細に検証する予定である。 次年度はこれまでの研究成果をふまえて全国の小児看護CNSの協力を得て予定通りガイドラインの要素の抽出とガイドラインの考案を行い,予定であるため,全体的な研究計画はおおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は情報収集,ガイドラインの考案を行う。 1.関連領域での研究状況や他分野での先駆的な看護支援や効果をあげている支援システムを抽出し,文献嬢のエビデンスの集約と体系化を行う。2.研究協力者による会議を実施時ガイドラインの基本的な枠組みを検討する。3.ガイドラインの基本的な要素が検討された後に,前年度に得られた結果を含めガイドライン(案)を作成する。4.ガイドライン(案)を臨床の看護師と医師に提示し,専門的立場からの意見やアドバイスを求める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は,今年度研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり,平成25年度請求額と合わせ平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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