研究課題/領域番号 |
24792480
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 由紀子 東北大学, 大学病院, 助手 (20596100)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 発達障害 / 子ども / 意思尊重 / 家族 |
研究実績の概要 |
1.子どもと家族,看護師および医師を対象にインタビュー調査の結果をまとめ,子供と養育者のための意思決定支援のガイドラインの素案を作成した。その後,このガイドラインの質の担保を目的として小児看護専門看護師を対象に質問紙調査を行い,修正と検討を重ね,内容を吟味しガイドラインを完成させた。 2.研究成果を踏まえて,臨床の看護師を対象としてガイドラインの試行と有用性の検討を行っている。 【成果】医療者が子供と家族双方に支援すべき場面として,①選択が必要な時(検査・処置の場面)②治療などの選択の時(治療方法についての決断や選択が必要な場面)③子供の日常が変化する時(入院が決まった時)④子供の日常が変化する時(退院前や在宅への移行の時)⑤子供の日常が変化する時(疾病管理が親から子供に移行する時など)の5場面が抽出され,ガイドラインはこの5場面について作成した。 上記5場面では,医師から子供や養育者に検査・処置の必要性について説明された後に改めて検査・処置の前に看護師から説明をしたり理解が十分でない部分を補足するといった<医師の説明後に看護師から事前に情報提供を行う>,<情報提供後の確認>すること等がほぼ共通する支援となり,医療者が行う支援内容はどのような場面でも大きな違いがないことが明らかとなった。この結果からどのような場面においても医療者の支援は一貫して子供と養育者に対して,説明・理解・同意を得ることが重要であることを示していると考えられた。このことは子供と養育者が,どのような場面であっても説明,理解,同意をした上で,納得して医療を受けることを望んでいると捉えることもできる。以上から,子供と家族の意思を尊重した支援を行う際には,子供と家族に説明すること,理解してもらうこと,同意してもらうことの3つの内容がガイドラインの必要な要素であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガイドラインの要素の抽出を行い,小児看護CNSの協力を得てガイドラインの素案を作成した。現在,ガイドラインを発達障害および他の疾患の患児とその保護者に対して,臨床の看護師に試行してもらい有効性を検討中である。以上より,全体的な計画は概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度はガイドラインの素案を臨床現場で試行してもらい有用性を検討する。 1.臨床の看護師に試行してもらう。2.試行した後にガイドラインの評価をしてもらう。 3.臨床現場からの評価をもとにガイドラインの修正と評価を行う。4.研究の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の計画が効率的に推進したことで未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の請求額とあわせて研究遂行に使用する予定である。
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