前年度までの研究で完成させた子供と家族の意思を尊重したガイドラインを,臨床現場で看護師に子供と家族の日々のケアにおいて試用してもらい,ガイドラインの有用性を検討した。看護師には①子供と家族の意思を尊重した支援についての意識や必要性を問う質問紙調査を試用前後で実施し,②患児もしくは保護者に対して支援ツールを使用して行った支援の後にガイドラインの使用しやすさ等を半構成的面接で確認した。その結果,看護師はガイドラインを使用したことで子供や養育者から不安や思いを語りなどの反応を得ており,ガイドラインの使用が効果的な支援につながることを実証できた。 さらに,ガイドラインの使用は看護師自身の意思尊重の認識を変化させただけではなく,自分以外の看護師や看護チームの変化も期待できると感じており副次的効果も確認できた。 よって,本研究で作成したガイドラインの使用は,子供と養育者に医療者の役割や意思表示の重要性の認識と自らの意思の表明を促し,それらが意思を尊重される支援に繋がることを実証し,看護師が子供と養育者の意思尊重を主導的に行うことが可能となると推察された。
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