研究課題/領域番号 |
24792483
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 志保 山形大学, 医学部, 助教 (00512617)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小児看護学 / プレパレーション / アセスメント / アルゴリズム / 採血 |
研究概要 |
本研究の目的は,採血を受ける子どもに行うプレパレーションを子どもの個別性に合わせて効果的に実施するために,採血を受ける子どもをアセスメントするためのプレパレーション・アルゴリズムを開発し,その検証を行うことである(プレパレーションとは,治療や検査を受ける子どもに対して,認知発達に応じた方法で説明し,子どもや親の対処能力を高める環境及び機会を与える援助と定義する)。 本年度の研究目的は,採血を受ける子どもをアセスメントするためのアルゴリズムを開発することであった。アルゴリズム開発にあたり,Mindsの診療ガイドライン作成の手引き2007が活用できると判断し,この手順に則り,文献検索の実施,文献の選択,エビデンスレベルの明確化,アセスメントする推奨の決定を行い,アルゴリズムを作成した。当初,作成後に実用可能性を検討するためのプレテストを計画していたが,今回の作成過程において,ガイドライン作成の手引きに則り作成したこと,小児看護の専門家のほか,小児科の看護師,医師も研究協力者として加わり議論を重ね,実用可能性も検討できたことを考慮し,プレテストは不要と判断できた。 現在,この作成したアルゴリズムの信頼性,妥当性を検討するための調査にあたり,倫理審査の申請,調査施設とのデータ収集の打ち合わせを進めている段階である。 今後,作成したアルゴリズムの信頼性,妥当性を確保することで,効果的なプレパレーションを行うために必要な,子どもの発達や特性,経験などをアセスメントする具体的方法が確立できると考えられる。さらに,アルゴリズムに合わせたプレパレーション内容を考案し,有効性を検証することにより,子どもを簡便にアセスメントし必要に応じたプレパレーション内容を具体的に示すことができるため,このアルゴリズムの活用により,採血を受ける子どもへの効果的なプレパレーションが実施できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究目的は,採血を受ける子どもをアセスメントするためのプレパレーション・アルゴリズムを開発することであった。 Mindsの診療ガイドライン作成の手引き2007に則り,文献検索の実施,文献の選択,エビデンスレベルの明確化,アセスメントする推奨の決定を行い,プレパレーション・アルゴリズムを作成した。研究協力者である小児看護の専門家,小児科の看護師,医師とともに作成し,合わせて実用可能性の検討も行った。 本年度の研究目的である,アルゴリズムの開発が達成できたこと,また現在,アルゴリズムの信頼性と妥当性を検討するための調査にあたり,倫理審査の申請,調査施設との打ち合わせを行っている段階であり,次年度のデータ収集に向けた準備を進められていることから,順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降では,今年度に開発したアルゴリズムの信頼性,妥当性を検証したのち,このアルゴリズムを活用したプレパレーションの介入研究を行い,有効性を検証する予定である。なお,これらは随時,学会で報告し,論文発表を行っていく予定である。 1.開発したアルゴリズムの信頼性,妥当性の検証 小児科外来で採血を受ける3-6歳の子どもと保護者を対象に,開発したアルゴリズムを用いてアセスメントを行う。アセスメントの結果と,実際の採血中の対処行動,痛みの自己評価から,同等性や予測妥当性を評価し,開発したアルゴリズムの信頼性,妥当性の検証を行う。 2.アルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性の検証 信頼性,妥当性が検証されたアルゴリズムに合わせて プレパレーション内容を考案する。これは,先行研究で有効性が認められたプレパレーション内容のほか,研究協力者である小児看護の専門家,小児科の看護師,医師と共に議論を重ね,アルゴリズムに合わせた内容を検討する。プレパレーション内容が考案できた後,介入研究を実施し,プレパレーションの有効性を検証する。小児科外来で採血を受ける3-6歳の子どもと保護者を対象に,アルゴリズムでアセスメントし,それに合わせたプレパレーションを実施して採血を受ける介入群と,通常通りの採血を受けるコントロール群の2群において,採血中の対処行動,採血後の痛みの評価を比較し,アルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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