研究課題/領域番号 |
24792489
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90405051)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ハイリスク妊婦 / 入院生活の質 / MFICU / ケアプログラム |
研究概要 |
本研究は、母体・胎児集中治療室(MFICU)に入院となったハイリスク妊婦の入院生活において安全性と快適性、入院生活の質に影響をおよぼす諸要因を明らかにするとともに、MFICUに入院を必要とするハイリスク妊婦のための包括的なケアプログラムを開発することを目的に3年計画で行うものである。 初年度にあたる今年度は、次年度以降に行う入院生活の質の評価とプログラム開発の準備を行った。まず、ハイリスク妊婦をめぐる周産期医療の現状、ハイリスク妊婦の入院生活の質のアセスメント・評価方法について文献やWebsiteの情報等を用いて調べ、さらに助産学領域の研究者から助言を受ける等をして検討を行った。それにより、ハイリスク妊婦が自分の生活の質を決定づけている生活領域を明確化し、それらの領域の相対的な重みおよびその満足度を自ら評価していく「生活の質ドメインを直接的に重み付けする個人の生活の質評価法」(SEIQoL-DW)を用いて、調査を実施していくこととした。SEIQoL-DWの使用に当たっては、研修プログラムに参加し、関連研究者から助言・情報交換を行うなど、この評価法を用いて生活の質の評価を得られるように努めた。調査方法、調査内容については、研究者の所属先である新潟大学医学部研究倫理委員会の承認を得ている。 また、調査協力施設の選定を行い、一部の施設についてはMFICUスタッフと意見交換を行い、ケアする側である助産師から見た入院生活における課題や問題点の把握を行い、調査方法、対象者の選定方法などについて打ち合わせを行った。1つの調査協力施設では看護部倫理審査員会の承認も得ており、実際にハイリスク妊婦の入院生活の調査を行う準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた質問用紙を用いるハイリスク妊婦の生活の質の評価法から、対象者が自分の生活の質を決定づけている生活領域を明確化し、重みづけや満足度を評価していく評価方法に変更はしたが、より入院生活の質を当事者の立場に立った視点で評価できる方法であり、質的・量的データが得られるため、より研究の目的に沿った調査方法の変更といえる。また、次年度に向け、調査方法や対象者の選定方法などの打ち合わせや、倫理審査の承認も得ており、調査開始できる準備が整ったことからも、おおむね順調と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
25~26年度は、MFICUに入院を必要とするハイリスク妊婦の入院生活において安全性と快適性、入院生活の質に影響及ぼす要因を明らかにするために妊婦に実施する面接調査および個人の生活の質の測定を実施する。 また、MFICUに入院を必要とするハイリスク妊婦のための包括的なケアプログラム開発に向けて助産師に実施するフォーカスグループインタビューを行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
・周産期医療施設への調査依頼、調査内容・項目の検討・打合せのための旅費、調査施設や研究協力者(ハイリスク妊婦、助産師)への謝礼 ・フォーカスグループインタビューデータ収集のため音声・映像機器の購入 ・研究成果の報告や情報収集・交換に当たり学術集会に参加するための旅費 ・ケアプログラム開発の妥当性を確認するため専門家による知識提供やSEIQoL-DWを使用してのデータの精度を高めるための研修プログラムへの参加 ・データ入力,集計・解析に当たり研究支援雇用費 等が研究費として使用予定である。
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