研究課題/領域番号 |
24792498
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西元 康世 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (60458015)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 家族看護 / 境界性パーソナリティ障害 / 家族支援 / 文献検討 |
研究概要 |
境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder:BPD)患者がいる家族に対する家族支援モデルの開発に向け,既存情報の整理・分析を行うためにまず,国内文献の検討を行った.医中誌Web(Ver.5)(医学中央雑誌刊行会),JdreamII(科学技術振興機構)の2つの文献データベースを利用し,「1983年から2012年」を検索対象年として文献検索を実行した.合計47本の文献が得られ,家族支援(20本),家族機能(27本)それぞれについて分析した.結果より,境界性パーソナリティ障害患者がいる家族の家族機能の崩壊や虐待,自殺などの社会的な問題行動との関連,現代型うつ病との関連が示唆されていた.家族機能を量的に測定した研究はみられなかった.「境界性パーソナリティ障害/境界性人格障害」と「家族支援」の論理積で得られた文献においては,筆頭著者は,医師,看護師,心理学者,ソーシャルワーカーなど多職種であり,一番多くの文献を執筆していたのは医師であった.また,どの職種も家族への支援を必要不可欠であると考えていた.各職種におけるBPD患者がいる家族に対する家族支援についての検討はなされていたが,多職種間での連携や各職種での役割の明確化などはなされていなかった.これらは,第32回日本看護科学学会学術集会にて発表した.引き続き国外文献検討を実施している.また研究課題に関する新たな情報の収集,国内の研究者との情報交換を行うため,日本家族看護学会第19回学術集会に参加した.引き続き国外文献検討を実施.また,次年度以降に実施予定のインタビュー調査のデータ分析のために,統計解析ソフトを購入し,テキスト分析の講習にも参加した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内文献検討終了後国外文献検討を進めていたが,体調不良によりすすんでいない.現在体調は回復方向にあるため,平成25年度中に境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder:BPD)患者がいる家族へのインタビュー調査,質問紙調査は着手する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度国際学会において,国外文献の検討を行った研究成果を発表予定であったが.体調不良により,不可能となったため,別の国際学会にて成果発表予定である.中断している研究内容の整理を行い,家族会や病院への依頼を行ったあと,同意が得られた家族に対するインタビュー調査,質問紙調査を実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に約23万円の未使用額(スキャナ,文具類,文献,書籍などの計上分)がでたが,計画が遅れた分に相当するものであり,平成25年度に使用する.次年度は予定していた国際学会にでの研究成果発表が困難であるため,実現可能な学術集会での研究成果発表に切り替え,研究費を使用する予定である.
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