2012年度に行った「大学生のきょうだいに対するグループインタビュー」の結果を第62回日本小児保健協会学術集会で発表した。そこでは、この結果をどのように対象者に還元するかについて、患者・家族会との連携が不可欠であること、きょうだいが親になる前に、子ども時代の体験を昇華させることの意味など、フロアから多くの意見を得た。 これらのディスカッションをもとに、代表者が関わる家族会役員会で意見交換会を行い、家族会主催の学習会で調査結果を発表する機会を作った。2007年に実施した小中学生のきょうだいを対象とした個別インタビューの分析と2012年に行った大学生のきょうだい対象のグループインタビューの内容から、きょうだいが障害のある同胞、両親を含めた周囲の大人に対する経験や思いの分析から、きょうだいへのサポートをどのように考えるか検討した。 参加者からは、きょうだいが年代に応じた対処行動を身に着けていることやその行動のヒントになっていることが両親の行動であることについて、「よく考えればあたりまえだが、まったく意識していなかった」、「障害のある同胞の将来は心配で、親としてできる限りの準備をしたいと思っているが、きょうだいは親よりも上手な付き合い方を考えてくれるのかもしれない」などの意見があった。 調査は一旦終了とするが、家族会からのニーズもあり、小中学生きょうだいに対する個別ケアや高校生・大学生のきょうだいのお話会など、家族会と連携を取りながら、今後も継続していく。
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