本研究の目的は食物アレルギーをもつ小児と家族の食物除去の解除過程における体験と期待するサポートを明らかにすることとしている。 平成26年度は、前年度の調査結果を日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会、日本小児看護学会にて発表した。 また、今年度は、食物アレルギーをもつ小児と家族に関わる看護師9名を対象に行っている支援の現状と課題について面接調査を行った。 看護師は、主に、経口負荷試験、解除した食物の摂取、および経口免疫療法に関する場面で小児と家族に関わっていた。看護師は、「検査・治療に伴うアレルギー症状の観察・対処」をしながら「検査・治療時の注意点と対処法を家族に伝える」ことも併せて行い、【安全に検査・治療が受けられるための支援】を行っていた。また、子どもが嫌がらずに摂取を進めていけるように、「摂取のタイミングを配慮する」「食べやすいように味や形態を変える」「食べやすくする工夫を家族に伝える」等の援助を通して、【検査・処置に伴う小児の心理を考慮した支援】も行っていた。さらに検査・処置を見守る親に対して、「除去していた食物の摂取に対する不安の軽減」や「先の見通しを伝える」ことに加え、「親子の目標のすり合わせ」を行い、【家族への心理的支援】を実施していた。これらの支援は、医師・栄養士等と連携して行われており、多職種による支援の重要性も示唆された。
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