研究課題/領域番号 |
24792506
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
赤羽 洋子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (50405122)
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キーワード | フットケア / 妊婦 / 循環改善 |
研究概要 |
平成25年度は,育児休業終了後の平成25年9月より研究を再開した.平成24年4月に本研究補助事業を取得し,その2ヶ月後には,産前休暇となったため,ほとんど研究を進めていない状態であった.そこで,再開後は,研究計画書の作成に本格的に着手した. 研究計画書の作成のために,フットケアに関する文献検討を様々な角度から行った.文献検討では,本研究で核となるフットケアの他,フットケアだけでは,フットケアの内容の詳細まで網羅できない可能性があるため,研究者が注目している足のマッサージに関する文献が抽出できるよう,マッサージ,足×マッサージをそれぞれキーワードとした.さらに,足浴は,フットケア時に実施する頻度が高く,足浴がフットケアに含まれる場合もあるが,足のマッサージと足浴のように,分けて位置付けられている場合が多いので,新たなキーワードとした.その他,対象となる妊婦をキーワードとし,医学中央雑誌,CINAHL,MEDLINEを用いて検索した.以上の手順により,得た51文献を用いて,フットケアに関する具体的な方法とその効果を,周産期領域とそれ以外の領域に分けてまとめた. 文献検討から,妊婦の足の冷えやむくみが,循環不全から生じていることに着目した.そこで,本研究では妊婦を対象とした循環改善を目的としたフットケアの効果の検討を行うことにした. その後,明らかにした本研究の目的を明確にするためにどのように研究を進めたらいいのかを検討した.検討の際には,研究の全体像を導き出し,研究デザイン,対象,研究方法,期間,分析方法,倫理的配慮を具体的なものにし,文章化した. このような手順によって作成した研究計画書は,現在,倫理審査を受けている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者が,平成24年6月~平成25年8月まで産前産後休暇および育児休業を取得していた.仕事復帰後の,平成25年9月より研究活動を再開し,研究計画書を作成し,倫理審査を受けているところである. 休暇に伴い,補助事業期間は平成28年度まで延長してはいるものの,平成25年度内に研究計画書の作成を終了する予定だった.しかし,平成25年度内に倫理審査が終了せず,26年度にずれ込んでいる.したがって,予定より遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査による承認を得た後,平成26年度~27年度にプレテストと本調査を二段階構成で行う. 第一段階:先行研究で導き出された妊婦の代表的な主訴や出現する頻度や辛さの程度および先行研究で実施したフットケアの課題から,妊婦の足の循環改善を目的とした臨床で適応が可能な基本となるフットケアのプログラムをひとつ考案しプレテストを行う.プレテストは,足の循環不全から生じる冷え,むくみなど主訴のある妊婦を対象に行う.次に,プレテストによって確認したフットケアのプログラムを第二段階の本調査に適用する. 第二段階:プレテストと同条件の妊婦を対象に,実施期間とコントロール期間を設定し,準実験的に介入研究を行い,フットケアのプログラムの効果として,有効性と持続性を検討する. 研究計画の変更:研究計画では,正常経過の妊婦を対象に効果を検討した後,切迫早産で入院している妊婦を対象に,フットケアのプログラムを実施し,その効果を検討する予定であった.しかし,切迫早産の妊婦にまで対象を広げて効果を検討する前に,フットケアを臨床に適応する際に,対象別にどのような工夫や部分的な改良が必要かをきちんと考察する必要があると考えている.そこで,本研究の最後に,フットケアの効果と研究者が先行研究で取り組んだ足のマイナートラブルの実態調査の結果から,フットケアの臨床への適応を考察する予定である.その考察の中で,切迫早産の妊婦を対象とした場合に,どのような工夫や改良ができるかについても明らかにしていく.この考察を加えると,予定している研究期間に達する可能性が高い.その結果,切迫早産の妊婦を対象とした効果の検討までを行うことが難しく,本研究終了後の課題となることが予測される.したがって,当初の研究計画を一部変更する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究が遅れている理由に示したが,平成25年度は研究計画書の作成が主となった.そのため,測定のための機器の準備やデータ収集のための交通費,謝金の支払いには至らなかったために,次年度使用額が生じている. 物品費として,データ収集のための測定機器,データ処理のためのノートパソコン,関連図書を購入する予定である.人件費・謝金では,対象者への交通費や謝金を支払う.旅費では,新たな知見を得るために関連学会に出席する際に使用する予定である.
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