研究課題/領域番号 |
24792513
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
空田 朋子 山口県立大学, 看護栄養学部, 助教 (40382387)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医療的ケア |
研究概要 |
本年度は、保育園における医療的ケア必要児の保育の実態を明らかにすることを目的とした。本研究の主旨を説明し同意の得られた保育園2園に訪園し、①医療的ケアに関する資料収集②参加観察法③半構造的面接調査の3つの方法にて医療的ケア必要児の保育実態を把握するための調査を実施した。本研究は山口県立大学の生命倫理委員会の審査を受け、実施の承認を得た。 調査の結果、A園、B園ともに1名ずつの医療的ケア必要児が入園していた。園で実施していた医療的ケアの内容は、A園では経管栄養、B園では人工呼吸器管理、経管栄養、吸引(気管内、口鼻腔)であった。医療的ケア必要児の保育については、A園、B園ともに保育士と看護師が協働して行っていた。A園では看護師1名が常勤しており、保育士と園の常勤看護師が医療的ケア必要児の担当になっていた。A園の常勤看護師は、園全体の子ども達の健康管理や保育を実施しながら、医療的ケア必要児の経管栄養の実施に携わっており、保育士は医療的ケア必要児の日常の保育実践と経管栄養中の観察を行っていた。 B園では、1名の常勤看護師は医療的ケアは行わず、クラス担任の保育士と医療的ケア必要児専任の非常勤看護師が医療的ケア必要児の担当になっていた。非常勤看護師は、医療的ケア必要児に常時1対1で付き添っており、児に必要な医療的ケアと保育を実施していた。保育士と非常勤看護師は、医療的ケア必要児がその日のクラス設定保育に参加できるかどうかの判断を話し合いながら、医療的ケア必要児の保育の調整を行っていた。 医療的ケア必要児の保育を行う上での連携について、A園、B園ともに「保育士と看護師の連携がとれている」と回答した。理由としては、「小規模少人数である」「医療的ケア必要児が1名と少ない」「非常勤看護師の配置がある」が挙げられた。 今後も研究協力園/研究対象者を募り、データ収集/分析を継続実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、保育園における医療的ケア必要児の保育の実態を明らかにすることを目的とし、研究協力園にて調査を進めていたが、予定していた園での実態調査が出来なくなるなど研究の進行過程で対象園の抽出方法に問題が生じたため、当初の研究計画からは大幅に遅れている。 今後も研究協力園/研究対象者を募りデータ収集/分析を継続実施しながらも、研究計画の見直しを行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後も保育園における医療的ケア必要児の保育の実態を明らかにすることを目的に、研究協力園/研究対象者を募りデータ収集を進めていく。しかし、当初計画していた研究協力園による保育園の紹介には限界があるため、自治体への研究依頼や医療的ケアが必要な子ども達を持つ親の会や団体への研究依頼をし、研究対象園を抽出していく。また、現在だけでなく過去に医療的ケア必要児の保育に取り組んでいたことがある保育園も研究対象園として調査していく。そして、研究計画の見直しを行い、保育園における実態調査と並行し、保育士の視点からの看護職と保育士の医療的ケア必要児保育連携モデルの普及に必要な課題を明らかにしていくために、保育士への質問紙調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、保育園における医療的ケア必要児の保育の実態を調査するために、研究協力が得られた保育園への旅費や謝金に使用する。また、研究協力園への保育実践事例集の校閲や打合せのための旅費も計上する。 そして、保育士の視点からの看護職と保育士の医療的ケア必要児保育連携モデルの普及に必要な課題を明らかにするために実施する保育士への質問紙調査を実施するための質問紙郵送料と返信料等にも研究費を使用する。
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