研究課題/領域番号 |
24792513
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
空田 朋子 山口県立大学, 看護栄養学部, 助教 (40382387)
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キーワード | 医療的ケア / 保育園 |
研究概要 |
本年度は、当初計画していた研究計画の見直しを行い、以下の3点の調査を実施した。 1)保育園における医療的ケア必要児の保育の実態を明らかにすることを目的に、全国の1852市区町村(福島県避難地域及び保育園が無い市区町村は除く)を対象に、医療的ケア必要児の保育実施状況の調査を行った。回収数878(回収率47.4%)、有効回答数875(有効回答率99.6%)であった。市区町村管轄内の保育園において医療的ケア必要児の「入園がある」と回答した市区町村は、96(11.0%)、「入園が無い」と回答した市区町村は、779(89.0%)であった。市区町村で保育園における医療的ケア実施要領等があるかどうかを尋ねたところ、「ある」と回答した市区町村は、13(1.5%)、「ない」と回答した市区町村は、845(96.6%)、「作施中」と回答した市区町村は、7(0.8%)であった。 2)1)の調査から得られた市区町村および市区町村が管轄する研究協力保育園で、医療的ケア必要児の保育実態調査を実施した。8つの市区町村から医療的ケア必要児が入園している保育園における①医療的ケアに関する資料収集を行った。また、2つの市区町村が管轄する研究協力保育園において、①医療的ケアに関する資料収集②参加観察法③半構造的面接調査の3つの方法にて医療的ケア必要児の保育実態を把握するための調査を実施した。現在、得られたデータに関しては分析中である。 3)保育士の視点からの医療的ケア必要児の保育連携モデル案に必要な課題を明らかにするため、A県内の保育士対象の研修会に参加している保育士227名を対象に質問紙調査を実施した。回収数183(回収率80.6%)有効回答数180(有効回答率98.4%)であった。現在、得られたデータに関しては分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究計画では、本年度は収集した資料や調査にて得られたデータを基に、医療的ケア必要児の保育実態について分析を行い、医療的ケア必要児の保育実践事例集案の作成に取り組む計画になっていた。しかし、保育園における医療的ケア必要児の保育実態調査が、初年度より大幅に遅れたため、本年度も引き続き研究協力園/研究対象者を募り、データ収集を継続して実施した。全国の自治体への研究依頼を行った結果、本年度は、新たに2カ所の保育園にて医療的ケア必要児の保育実態調査が実施できた。また、8つの市区町村から医療的ケア必要児保育に関する資料収集が出来た。しかし、まだ保育園における医療的ケア必要児の保育実態に関するデータが不足しているため、当初の計画より遅れている。今後も研究協力園/研究対象者を募り、データ収集・分析を継続実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、保育園における医療的ケア必要児の保育実態を明らかにすることを目的に、研究協力園/研究対象者を募りデータ収集・分析を進めていく。そして、次年度はこれまでに収集した資料や調査にて得られたデータを基に、保育園における医療的ケア必要児の保育実態について分析結果をまとめ、看護職と保育士の保育連携モデル案となる医療的ケア必要児の保育実践事例集案の作成に取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画していた研究対象保育園の抽出に問題が生じ、保育園における医療的ケア必要児の保育実態調査がなかなか進まず、研究初年度より保育実態調査が大幅に遅れたため。また、本年度は医療的ケア必要児の保育実践事例集案の作成に取り組む計画になっていたが、データが不足しているため、保育実践事例集案の作成に取り組めていないため。 次年度の研究費は、引き続き保育園における医療的ケア必要児の保育実態を調査するために、研究協力が得られた保育園への旅費や研究対象園および研究対象者への謝金に使用する。また、研究協力園への保育実践事例集の校閲や打合せのための旅費と研究結果発表のための学会への旅費も計上する。そして、保育実践事例集を作成に必要な冊子作成費(業者依頼費、印刷費)や郵送費を計上する。
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