前年度に引き続き、重症心身障がい児を養育する家族を対象に、家族エンパワメント及び養育肯定感とその関連要因を実証的に明らかにするべく、質問紙調査を行った。その結果、エンパワメントの関連要因として、児の睡眠問題・ライフイベント・暮らし向き・ソーシャルサポート認知が明らかになった。中でも、家族以外からのソーシャルサポート認知がもっともエンパワメントに寄与することが明らかになった。また、養育肯定感を向上・維持していくことに関して、養育負担感の軽減とソーシャルサポートの確保に加えて、新たにエンパワメントの存在が示された。 今回は、肢体不自由児施設の改組と時期が重なってしまったため、家族支援プログラムの運用まで至らなかったものの、本研究の成果を活かして、家族支援の体制を築いていくことが十分可能と考える。
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