本研究は、脳死下臓器提供におけるドナー家族の心理的軌跡を明らかにし、必要な看護ケアを導き出し、それらと欧州の教育プログラムで推奨されている看護ケアの計30項目について、脳死下臓器提供に関わった看護師を対象とし必要性の認識の度合いと看護実践の有無を調査し、看護ケア構築の示唆を得ることを目的とした。 30項目中29項目の看護ケアについて80%以上の看護師が必要性を高く認識していたが、実施率が70%未満の看護ケアが19項目あった。実施に関連する要因として、「看護師が自分自身の家族と臓器提供について話し合ったことがある」が18項目で有意に関連しており、実施率が低いケアの促進に影響することが示唆された。
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