臨床の現場で周産期保健医療を提供する支援者の人々の体験・問題意識・態度・価値観を明らかにすること(『支援提供者の声』”Listening to Providers”)を目的として調査研究をおこなった。 H27年度は計24名の周産期医療関係者(産科医8名、助産師14名、新生児科2名)にインタビューを行った。主な質問として、①「どんな周産期医療・ケアを目指していますか?」②「その理想に照らし合わせると、現在どのくらいできていますか?できている部分、できていない部分はどんなことですか?」と尋ねた。そしてさらに、③「現在提供しているケアに、100点満点で何点を付けますか?」「それは合格点ですか?」と点数を数字で尋ねる質問を尋ね、言葉のデータと数値のデータの両方を扱う混合研究法のアプローチを取り入れた。そして④「どんな環境やサポートがあれば理想に近づくことができると思いますか?」と改善のための要望やアイディアを尋ねた。 研究参加者の地域、経験年数、性別、年齢、雇用形態、施設のタイプ、取扱分娩数、救急レベルなどの背景は多岐に渡り、さまざまな立場で周産期医療の現場に携わる当事者の体験を詳しく尋ねてデータ化し、文脈を考慮しつつ研究課題について比較分析することができた。本研究の結果は今後、学術雑誌への投稿を行うと共に、専用ウェブサイト上に公表し、広く社会にお返しする。
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