本研究では、安全な出産と快適な育児期を過ごす女性への支援として、臨床応用できる睡眠プログラムを検討することが目的である。睡眠プログラムは対象者が自分の睡眠状況について振り返ったり、非妊時とは異なった妊娠による睡眠の変化を認識したりして、対象者が睡眠習慣を生活に取り入れることで、妊娠中の健康維持と胎児の順調な発育のために適切な行動に結びつけられる効果を目指した。 具体的には、妊娠期からの睡眠プログラムの介入による妊娠各期の睡眠状況と健康との比較、出産と育児期のoutcome評価から、睡眠プログラム介入の適切な時期と内容を検討するため以下の構成で行った。 1)妊娠期の分類である初期・中期・末期において、睡眠プログラムの介入を行い妊娠各期の睡眠状況と健康との比較を行う2)睡眠プログラム介入後の出産後において、自然で安全な出産に関する周産期のoutcome評価を行う3)睡眠プログラム介入後の産後において、育児期の心の健康度とQOL、産後のうつ、母乳状況に関するoutcome評価を行う 対象は、妊婦健康診査目的で医療機関を訪れた妊娠初期・中期・末期の妊婦とした。方法は、睡眠に関する自己式質問票の記入後、妊婦の状況に応じた睡眠支援を行った。妊婦への睡眠に関する介入としては、科学的知見に基づいた睡眠および妊娠により変化する睡眠妊に関する知識の提供、妊娠期の睡眠習慣や生活習慣の支援、睡眠呼吸障害スクリーニング結果からの受療支援とした。対象者にはスクリーニング結果より睡眠呼吸障害が疑われて、受療支援につなげた妊婦が含まれていた。睡眠プログラムについては主観的な評価は高かった。
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