研究課題/領域番号 |
24792537
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
浦尾 悠子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40583860)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | マインドフルネス |
研究概要 |
本年度は、1.マインドフルネストレーニング(以下MT)プログラムの文献検討を行い、2.日本におけるMTのニーズや実践方法を検討した後、3.MTプログラムの作成を行った。 1.文献検討では、すでに立石(2011)らが、対人援助職へのMTの効果を文献レヴューしており、MTはスタッフ自身のストレス軽減のみならず、ケアの質の改善にも役立っていることを明らかにしていた。また国外では、マインドフルネスアプローチの効果研究やそのレヴューが数多く報告されており、中でもHofmann et al. (2010) は、うつや不安のある患者に対するマインドフルネス心理療法の39の先行研究のメタ分析において、中程度以上の効果量を示すことを報告していることなどが明らかとなった。 2.MTの実践方法については、MBSR(Mindfulness-Based Stress reduction)の創始者であるJ.カバットジン博士のワークショップに参加し、MBSRに関する理論や実践方法を体得した。次に、日本の看護職のニーズを把握するため、看護学生40名を対象にMTの講義/実践を行い感想を集約した。その結果、【気持ちが落ち着き楽になる】【多くの思考や感情に気づく】【日常のトレーニングや活用法への興味が持てる】【 マインドフルネスの実践を心がけたい】の大きく4つに分類された。 また、患者側のニーズ等も把握するために、地域活動支援センターの通所者に対してMTを紹介したり、うつ病患者の集団認知行動療法プログラムにおいても、マインドフルネスに関するセッションを追加して実践しており、今後はその効果検証も行いたいと考えている。 3.については、次年度MTプログラムを実施して効果を検証するために、現在看護職向け及び患者向けMTプログラムを作成している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度中にプログラムの完成予定であったが、まだ途中段階のため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は当初の計画通り、看護学生もしくは看護職者に対してMBSRに沿ったMTプログラムを実施し、効果を検証する予定である。また今後は、不安・抑うつ傾向のある患者に対しても、MBSRに沿ったアプローチを行い、効果を検証できればと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度は、マインドフルネスの関連学会・研修会等への参加ができなかったため未使用額が生じたが、次年度に参加予定である。 次年度の研究費は主に、プログラム実践補助およびデータ入力のためのスタッフに対する謝金(人件費)、データの多変量解析を行うための統計ソフト(SPSS)購入に使用する。また、プログラム実施内容の録画、録音機器や、データ保存用のハードディスク等に使用する。更に、研究打ち合わせや調査、研究成果の発表のための旅費、英語論文の校閲費、投稿料等に使用する予定である。
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