認知症グループホームにおける高齢者終末期ケア実践について、終末期ケアの促進・阻害要因を明らかにすることを目的とした。特にこれまで重要な課題であると報告がなされてきた多職種連携に着目し検討を進めた。 平成26年度は、平成25年度にグループホームにおける多職種連携を含めた終末期ケアの促進・阻害要因を明らかにすることを目的とした質問紙調査を行った結果の分析・考察を行った。 回収は301名であり回収率30.1%、そのうち有効回答297、有効回答率29.7%であった。 ケアが難しいと認識している者のうち40.1%が難しさの理由として医師との連携を、24.3%は看護職との連携を理由に挙げていた。難度認識の高さと終末期ケア実践が不可であることが有意な関連を示していたことからも、医療職との連携の取りにくさは終末期ケア実践の阻害要因として少なからず影響することが推測された。 終末期ケア実践の可否を目的変数、可否に関連する要因として事業所概要、事業所の終末期ケアの方針、医療との連携、個人要因、終末期ケアに対する認識のうちχ2検定で有意な関連を認めた項目を説明変数とし、ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った。分析の結果、事業所の終末期ケア提供方針が積極的であり、医師の往診があり、医療連携体制加算を取っており、グループホームでの終末期ケア経験がある場合にグループホームでの終末期ケア実践が可能である確率が高かった。グループホームの終末期ケアの実践を促進する為に、多職種連携においては、事業所のケア提供方針の明確化、往診可能な医師との連携の強化、介護職と看護職の協働に向けた相互理解の促進が必要であると考えられた。
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