平成26年度は計2名の精神科訪問看護師に研究への参加協力を得て、平成24~26年度の研究期間中に、計13名の精神科訪問看護師に参加協力を得た。 研究目的①:利用者からの暴力を防ぐべく、普段から観察するポイントとして、初回訪問のように訪問期間が短い利用者に関しては、「利用者の暴力行為の既往」「利用者の犯罪歴の既往」に着目していた。また「利用者の言動」「利用者の表情・雰囲気」「普段とは異なる利用者の行動・反応・状況」など、利用者のバーバル/ノンバーバルな情報にも着目していた。他にも「利用者の精神状態」「利用者の服薬状況」「利用者の飲酒状況」など、暴力発生に影響する要因に着目していた。 また普段からの判断のポイントとして、「利用者の暴力行為の既往」「利用者の犯罪歴の既往」がある場合、精神科訪問看護師は利用者からの暴力が発生するリスクが高いと判断し、研究目的②:リスクが高い状況でのスキルを実践していた。他にも利用者の「精神状態が悪い」「服薬状況が不良」「飲酒傾性」である場合には、精神科訪問看護師による観察・積極的な情報収集で得た情報と利用者のこれまでの経過を比較することを通じて、暴力のリスクが高い、と判断していた。 普段からの技術として、「利用者との信頼関係を構築する」ことが最も重要視されていた。また「利用者の暴力に関する情報を積極的に収集する」「訪問時の状況について他の看護師から積極的に情報を収集する」「利用者の対人関係の取りかたについて積極的に情報を収集する」ことを実践していた。つまり訪問することで得れる表面的な情報に留まらず、暴力に関連する要因について積極的・能動的に情報収集することが実践されていた。 研究目的②:暴力が発生するリスクが高い状況でのスキル、研究目的③:暴力が発生した状況でのスキルについては、紙面の都合上、成果報告書ならびに学術誌への発表で報告するものとする。
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