研究課題/領域番号 |
24792555
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
那須 佳津美 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (80581701)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 特別養護老人ホーム / エンド・オブ・ライフ・ケア |
研究概要 |
特別養護老人ホーム2施設で死亡した入所者11名の死を看取った家族15名へのインタビュー調査を行った。面接内容をColaizziの現象学的分析方法を用いて、質的帰納的に分析した。分析の結果、特別養護老人ホームで入所者の死を看取る家族の経験として、《入所者との絆を感じる》《自分にできるケアを探す》《職員や同室者と折り合う》《入所者を医療処置の意思決定をする》《大切な人が最期を迎える場を選択する》《死にゆく入所者を見守る》《入所者の死とケアを意味づける》の7つのテーマが導かれた。これにより入所者家族への支援の重要性と方向性が明らかになった。 また、同施設で入所者の死を看取った経験のある職員ら(看護職、介護職、相談員)へのインタビュー調査を行った。うち、介護福祉士7名の面接内容を分析した結果、特別養護老人ホームで入所者の死を看取る介護職員の経験として、《小さな変化から終末期を予測し、覚悟を決める》《入所者の意思が分からず、ケアに確信が持てない》《生活の視点から多職種と協同する》《長い間ケアした入所者を奪われる》《家族が悔いなく看取れるよう見守る》《最後まで介護士として入所者に寄り添う》《入所者の死を受け止め、ケアを振り返る》《自らの死生観と職業意識を揺さぶられる》《入所者・家族への日々のケアを大切に思う》の9つのテーマが導かれた。入所者の生活を支え、その死を看取る介護職員への支援、看護との連携のあり方への示唆が得られた。 さらに、米国で行われている高齢者へのエンド・オブ・ライフ・ケアの教育プログラムであるELNEC-Gへの参加と、米国の施設での終末期ケアについての情報収集を行った。米国のナーシング・ホームで看護師らの感じている困難は、わが国の特別養護老人ホームでの終末期ケアにおける課題と共通するものが多くあり、今後の研究活動に多くの示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特別養護老人ホーム職員のうち看護職については、研究協力を得られたのが1名と人数が少なく、看護における課題や教育の必要性が明確にならなかった。同時に、特別養護老人ホームでの終末期ケアについて介護職員は職業意識を持って取り組んでおり、その実態が把握できた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度明らかになった、特別養護老人ホームで入所者を看取る家族の経験と、介護職員の経験、また、米国での施設における終末期ケアに関する情報収集から、我が国の特別養護老人ホームにおける終末期ケアへの示唆が得られた。これらを基に、特別養護老人ホームでの終末期ケアにおける看護、ケアのありかたについて調査し、介入プログラムへとつなげていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度に明らかとなった研究結果の発表と情報収集、今後の調査への協力依頼のために使用する。
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