研究実績の概要 |
「気になる子ども」評価尺度開発の前段階として、ハイブリッドモデルに基づく概念分析に取り組んだ。ハイブリッドモデルとは文献レビューとフィールドワークを組み合わせ、概念の実際の運用を解明する手法である。平成26年度は、横浜市の保健師および保育士に実施したインタビューデータを分析し、発達障害が疑われる子どもの中でも「健診の基準を満たすが質的な内容を満たさない子ども」や「子どもの全体的な雰囲気に違和感のある子ども」といった、医学的な診断基準には当てはまらないが、専門職が日々の実践の中で培ってきた「気になる子ども」概念もあることを見出した。そして最終的には、平成25年度と平成26年度の成果を統合し、「気になる子ども」真の定義を明らかにした。
1) Okochi A, Tadaka E. The usefulness of the concept of kininaru-kodomo (children of concern) in Japan when evaluating children with special health care needs. Annals of Nursing and Practice 2(1): 1021. 2015. 2) Okochi A, Tadaka E:What is diagnosis?: medicalization of the children with developmental care needs in medical checkups and preschools in Japan, XVIII ISA WORLD CONGRESS OF SOCIOLOGY, Yokohama. 3) 大河内彩子,田髙悦子:行政保健師の「気になる子ども」概念のハイブリッドモデルによる分析―子ども観に焦点を当てて―, 第17回日本地域看護学会学術集会, 岡山. 4) 大河内彩子,田髙悦子:支援の必要な子ども(CSHCN)の早期把握に向けた保育士の「気になる子ども」研究, 第73回日本公衆衛生学会総会, 栃木.
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