平成26年度は、平成25年度に実施した、A病院看護職員に対するストレス実態とセルフメンテナンス能力向上に関する調査の結果を分析し、第45回日本看護学会(看護管理)にて発表し、その後、論文としてまとめた。調査の結果、年齢や経験年数に関わらず、看護職は強いストレスを感じていることが明らかとなった。各自のストレス対処方法をもっているが、効果は一時的であり、ストレスに対処する機会を職場で得たいという希望が示された。また、特にストレスを感じているものとして”人間関係”があり、職場においては、同僚や上司との関係にストレスを感じる一方で、話し合うことでストレスを軽減する役割も示していた。このことから、職場における人間関係に着目したプログラム、すなわち、ストレスを解消でき、セルフメンテナンス能力を向上させるようなプログラムを実施する必要性が示唆された。 B市地域包括支援センター職員の研修会を支援し、その際に、ストレス実態とセルフメンテナンス能力向上に関する調査を実施した。しかし、地域包括支援センター職員からの結果は回収数および自由記述記載が少なく、効率的な調査を実施することができなかったため、引き続き、分析と調査を実施する必要性がある。 さらに、社会的な課題となっている認知症に焦点を当て、オーストラリアにおける認知症患者に携わる専門職の支援について、現地で聞き取り調査を実施し、研修レポートをまとめた。 また、ストレスに対する自己調整能力(セルフメンテナンス能力)の向上に関連して、ヘルスケア・アートプログラムをケアする人に実施する意義についてまとめ、学会にて報告し、他研究者との意見交換を行い、見聞を深めた。
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