研究概要 |
本研究課題は、地域住民の心身健康とソーシャルキャピタル(SC)との関連を明らかにし、健康長寿に向けた実践的な地域支援介入プログラムの方策に資することを目的とした。 沖縄県A町在住で20歳以上の住民のうち、32行政区ごとに性別、10歳区分で30%無作為抽出した7,425人を対象に、郵送法による自記式質問紙調査を行った。回収の得られた1,271人(男性583人、女性688人)を分析対象に、基本属性、主観的健康や朝食、喫煙、飲酒、運動及び睡眠の健康行動及びSCの測定には近隣信頼を設問した。平成24年度の結果より、近隣信頼と健康行動との関連では、男性は飲酒量、女性は朝食と睡眠で近隣信頼と有意な関連を認めた。近隣信頼と主観的健康との関連では、男性(AOR=3.5, 95%CI=2.0-6.0)、女性(AOR=1.9, 95%CI=1.1-3.4)で有意な関連を認めた。この結果をもとに、介入対象地域を選定するため、32地区ごとの単純集計を算出し、各地区の心身健康と健康関連行動の特徴およびSCとの関連について検討を行った。その結果を報告書「A町におけるソーシャルキャピタルを基盤とした健康地域づくり―助け合い(共生)の心で健康づくり『市民が主役の文教のまち』―」としてまとめ、地域保健師との意見交換を行った。
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