特定機能病院における認知症高齢者への看護の課題の明確化と有効な援助の検討を目的とした。特定機能病院に勤務する看護師24名の面接結果を質的に分析した。 看護上の困難では、【事故防止の難しさ】、【先端治療と生活機能低下のジレンマ】、【退院調整の困難】などの7つのカテゴリーが抽出された。看護上の工夫では、【事故防止の抑制と代替手段】、【看護チームや他職種との連携】などの8つのカテゴリーが抽出された。先端医療の現場では事故防止が最優先され、疾患は治癒しても認知症高齢者の生活機能が低下してしまう課題があった。入院早期から多職種が連携して生活機能低下を予防する援助の必要性が示唆された。
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