研究課題/領域番号 |
24792580
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
深山 華織 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (40613782)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 家族支援 / 要介護高齢者 / 訪問看護 |
研究概要 |
近年,わが国では少子高齢化や核家族化に伴う世帯構造の変化が生じており,要介護者のいる世帯の家族の介護力は弱く,脆弱な家族形態の世帯が増える傾向にある.要介護者と同居している主介護者は,男女ともに50~60歳代が最も多く,約半数が仕事を継続している.そこで本研究では,要介護高齢者を支える同居家族の日中留守にすることによる心情を明らかにし,要介護高齢者とその家族の双方の生活への支援の在り方を検討することを目的に遂行している. 本研究において現在までに得られた成果は以下のとおりである.①本研究の計画書に関して,研究者の所属機関の研究倫理委員会の承認を得た.②近畿圏内の訪問看護ステーション4施設の管理者に対して,本研究の目的や意義,方法,倫理的配慮について口頭と文書にて説明を行い,研究協力への同意を書面で得た.③研究協力の同意が得られた訪問看護ステーション管理者が,訪問看護利用者の家族のうち,日中就業している主介護者を選定し,紹介を受けた.④紹介を受けた家族に対して,本研究の目的や意義,方法,倫理的配慮について口頭と文書にて説明を行い,研究協力の同意が得られた者4名に対して,半構成的面接調査を行った. 要介護高齢者を支える同居家族は日中就業により留守にしているため,要介護高齢者がどのように過ごしているのか看ることができない.そのため,家族は要介護高齢者の様子が気がかりであり,不安や罪悪感などを抱えていた.一方で家族は,介護以外に就業によって社会的役割を持つことでストレスを発散し,介護への負担を軽減していた.生活スタイルや生き方が多様化する昨今,家族が要介護高齢者の療養生活を支える上で,家族自身も生活の質を維持・向上することが重要である.そのため,要介護高齢者の家族の生活スタイルを尊重した支援が,在宅での療養生活をより安心・安全に継続させることができると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における平成24年度の計画では,データ収集を終えている予定であった.しかし現在,4名への面接調査に留まっている. 理由の一つとして研究対象者への研究協力依頼の遅れがある.二つめに本研究は,就業している主介護者を対象にしており,対象者の心身の負担を避け就業以外の日程において面接調査を行う必要があるため,調整に時間を要している.
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今後の研究の推進方策 |
今後本研究において,以下の計画ですすめていく.①研究対象者への面接調査を進めながら,同時に逐語録の作成,分析を進めていく.②データの分析過程においては,研究の信頼性・妥当性を高めるため,在宅看護学領域の専門家からスーパーバイズを受ける. ③本研究において得られた成果について,学会や学会誌投稿にて発表し,広く意見・評価を得る.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に関する消耗品(用紙や文具,印刷機トナーなど)やデータ分析等に必要な関連書籍の購入,逐語録の作成に係る人件費,研究成果発表への諸経費などに使用する.
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