精神科外来看護師8名を対象として行った面接調査の内容を逐語録に起こし、最終年度は、看護師が「何か変」と感じ、早期に何らかの看護が必要かどうかの臨床判断を形成するプロセスに焦点を当て、特定の理論に基づかない質的記述的分析の洗練を行った。 その結果、精神科外来看護師は、後悔の経験からくる悔しさや看護観のもとになるものの経験をしていることから<看護のばねになるもの><外来看護への想い>が生まれ、これらが重なり合い、<患者と関わる姿勢>に繋がっていた。また、<気になる状況の候補>をベースとしながら<五感のフル活用>をしつつ、<介入の必要性のある患者状況を探す>ことをしていた。その後、<気になる状況を確信に変える方法>にて<アセスメントのし直し>や<介入>を繰り返し、<介入後の結果>を受け、<自分の看護の評価>に繋がっていた。 臨床判断を形成するプロセスには、自身の経験や知識からくる認識がベースとなり瞬時の看護をしようとする動力や視点があった。そのため、精神科外来看護師のケアの向上やモチベーションアップにつながるようにするには、第一に<看護のばねになるもの><外来看護への想い>を確固としたものにしていくように、看護・外来看護の楽しさ、苦しさを伝えつつ、患者に寄り添う意味を模索するような研修が必要である。第二には、瞬時の看護を強化するために、多岐にわたるアセスメント向上をしていく必要がある。また、医師等への遠慮もあり、自分の看護に価値を見いだせず、自分流の看護ができない状態もあることが明らかになった。そのため、第三として、第一、第二をもとにした、多職種との交渉を苦手としない力をつけていけるような看護師教育プログラム開発が期待される。
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