研究課題/領域番号 |
24792588
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
内ヶ島 伸也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (80364264)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 意思決定 |
研究概要 |
本研究は、認知症の人の意思決定能力の特徴を描き出すとともに、意思決定能力の評価方法を検討することを目的としており、対象者への面接調査によってデータを収集・蓄積して分析するものである。 初年度である平成24年度は、これまでに収集したデータを再分析することによって面接調査で使用する質問紙を再構成することに重点を置いた。これまでの質問紙は、日常生活ケアの場面として「食事」「入浴」「排泄」「人との関わり」という4場面にちなんだ質問を通して意思決定能力を評価しようというものであった。この面接は1回に30分程かかり、その面接を同一対象者に2回行って回答数や一貫性を評価するものであったため、対象者の負担の大きさが気がかりであった。そこで、これまでに蓄積したデータを使って質問紙にある4場面間の回答の傾向を再分析した結果から、面接に使用する場面を1つに限定する方向で検討をすすめた。使用する場面は、臨床で遭遇する頻度が高い意思決定場面であり、かつ、倫理的な課題も多い「食事」にすることとした。質問紙の構成は、治療に関する意思決定能力を評価する面接ツール(MacArthur Competence Assessment Tool-Treatment:MacCAT-T)に従った。 質問紙の再構成は、今回の作業をベースにして申請期間を通して段階的に進めていく予定であるが、意思決定能力の評価方法を検討する本研究において、今後のデータ収集を左右する質問紙の構成を初年度に十分検討できた意義は大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、面接調査によるデータ収集、および、評価方法である質問紙の再構成(α版作成)を計画していた。面接調査のためのフィールドとの調整と質問紙α版作成までの一連の作業は計画通りに遂行できた。しかし、予定よりも質問紙の再構成に時間を要してしまい、質問紙α版のプレテストは実施できたものの、面接調査によるデータ収集は実施できなかった。それでも、質問紙の検討を重ねられたことで、次年度以降の作業がスムーズに展開できる見込みを持てたことは大きな成果と考える。
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今後の研究の推進方策 |
できるだけ多くの対象者に面接の協力を得るために、複数カ所の調査フィールドを確保することと、面接調査を行う協力員を複数名確保することが必要となる。 すでに調査フィールドは確保できているが、調査の進行に応じてさらにフィールドを拡大していくための調整を始める予定である。 また、面接調査を行う協力員は、現在の調査フィールドに対応するだけの人数は確保できているが、今後の拡大に応じて協力を求めるための準備をすすめている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は、対象者への面接調査によってデータを収集し分析するものであるため、面接にともなう交通費と協力員への謝礼が支出の大半を占めることになる。 その他、研究成果を報告するための学会参加費(旅費)や面接調査に使用する文房具等が経費として生じる。
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