作成した退院支援教育プログラムを平成25年度に介入病院12病院(北海道、石川、東京、長野、山梨、大阪3、兵庫、愛媛、長崎、沖縄)へ実施し、対照病院9病院(北海道、新潟2、石川、神奈川、静岡、奈良、兵庫、愛媛)へ質問紙調査を実施した。平成26年度は、実施した退院支援教育プログラムの効果を検証するために、介入前後の期間に病棟看護師の退院支援自己評価尺度(DPWN)、退院支援満足度(VAS)について介入群と対照群で比較分析した。 介入前後における質問紙回収数は、介入病院が2085人(回収率76.5%)、対照病院が1483人(回収率75.0%)であった。研究協力者の基本的属性は、平均看護師経験年数11.3±9.5年で、介入群と対照群で差はみられなかった。女性が3313名と9割以上を占めており、スタッフが3087人(86.4%)、主任が317人(8.9%)であった。最終学歴は、専門学校が2723人(76.2%)で最も多く、次いで大学が508人(14.2%)であった。介入期間の前後での、DPWN得点の変化における、各下位尺度と合計得点の前後比較には対応のあるt検定を実施した。さらに介入の有無と介入時間との間に交互作用があるか反復測定による2元配置分散分析を実施した。その結果、介入病院、対照病院ともに介入期間の前後で、DPWN合計得点、下位尺度得点、VASすべてにおいて有意な得点の上昇が認められた(p<0.05)。一方で時間経過による交互作用を検討した結果、下位尺度:多職種連携のみに介入期間前後で介入病院、対照病院間で差が認められ(p=0.03)、介入病院群に有意な得点の上昇がみられた。
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