研究課題/領域番号 |
24792596
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
佐藤 潤 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (30448881)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 保健指導 / テラーメード / コンジョイント分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,集団指導でありながら個別指導のように対象者の個別性を考慮したテーラーメード型の集団指導の効果について検討することである。集団指導にテーラーメードの概念を加える手法として,本研究ではマーケティングリサーチの分野で消費者の選好を調査するのに使用されているコンジョイント分析を用いることである。 平成26年度は,コンジョイント分析を用いてその結果をどの程度テーラーメード型の集団保健指導に反映させることが可能かの検討を実施した。その結果,コンジョイント分析の結果から保健指導プログラムを作成することは可能であったが,同時にいくつかの問題点があることが明らかになった。第一として,コンジョイント分析から抽出した保健指導プログラムは対象者全体として平均的に好まれる内容になってしまうため,内容自体が可もなく不可もないものに落ち着いてしまう可能性があることが挙げられる。第二として,多数意見がある場合にその影響力が大きくなってしまうことである。これにより,コンジョイント分析を事前に実施することと,事前に通常のアンケートを実施することの差異が出にくくなってしまう懸念が考えられた。第三として,コンジョイント分析から作成した保健指導プログラムのの効果が個々人に対して最大限の効果を上げることには関与しない可能性が示唆された。 今回,現時点で直接的な介入が行えていないため,研究期間を1年間延長したため,次年度は,コンジョイント分析の結果から作成したテーラーメード型の集団保健指導が個々人の選好とどの程度合致するのかの検討していくことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では,保健指導計画策定後,介入群とコントロール群を設定して作成した保健指導の比較をするいおていであったが,現在介入を実施することができていない。 よって,研究デザインを一部変更し,介入に依らない保健指導プログラムの効果を判別する方法を選択している。
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今後の研究の推進方策 |
コンジョイント分析によって作成した保健指導プログラムについて,介入に依らずにその内容の効果を事後アンケートの形式で実施することを予定している。これによって,若干のエビデンスレベルは落ちるものの,コンジョイント分析による保健指導プログラムがどの程度テーラーメード要素を反映えいているのか判別することが可能になる考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は,テーラーメード型の集団指導の効果について介入群と対照群において比較検討するとともに学会で発表する予定であったが,研究実施施設の選定に予想以上に時間がかかってしまい介入の実施に遅れが生じたため,介入群・対照群ともにデータが完全に揃った状態ではないため,未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
このため,残っているデータの入手とともにテーラーメード型の集団指導の効果についての結果分析および学会の発表を次年度に行うこととし,未使用額はその経費(研究実施施設へ謝礼,研究実施施設への交通費を含む)に充てることとしたい。
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