研究課題/領域番号 |
24792599
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
西田 友子 椙山女学園大学, 看護学部, 講師 (70621762)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 女性 / やせ / 体重変動 / 低栄養 |
研究概要 |
本研究は、若年成人女性の体重変動と栄養評価指標を3年間追跡調査し、体重減少による栄養評価指標への影響を明らかにすることを目的としている。平成24年度は3年のうちの1年目調査を実施した。対象は調査協力自治体が実施する39歳未満対象の健康診断を受診した女性である。健康診断で実施する血液検査に、アルブミン、プレアルブミン、リンパ球数などの栄養評価指標を追加し測定した。同時にアンケートにより、体型認識や、やせ願望、食事抑制の程度などを調査した。 調査の結果、BMI18.5kg/m2未満のやせ女性は21.6%であり、そのうち17.5 kg/m2未満の過度にやせた女性は5.6%であった。追加で測定した栄養評価指標と体型との比較では、プレアルブミンおよびリンパ球数で、やせ女性ほど平均値が低く、プレアルブミン20 mg/dl未満、総リンパ球1500 /mm3未満を低栄養の基準として比較した結果でも、やせ女性ほど基準値以下の割合が高かった。この結果は、やせ女性の潜在的な低栄養問題を示唆していると考える。 一方で、実際の体型と認識を比較すると、やせ女性の61.1%は自分の体型を「ちょうどいい」と答え、普通体型の女性の69.5%は自分を「太っている」と認識していた。また、肥満体型ではない女性の80%以上が、今よりも体重を減らしたいと考えていた。自覚的な体調の不調では、肥満体型の女性のほうが訴えは多く、やせ女性は少なかった。 平成24年度の調査結果では、保健研究計画の主要目的である体重変動と栄養状態の関連は、まだ検討できない。しかし、1年目の調査結果から、多くの女性がやせ体型であることに問題を感じてはいないが、実際は低栄養の危険が潜んでいることが懸念された。若年成人女性へのやせ予防の重要性が示されたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年8月に所属大学の倫理委員会から研究計画の承認を受け、平成24年10月には協力いただく市の健康診断時に調査を実施した。平成25年3月には、協力いただいた市に1年目調査の結果概要を報告した。これは、はじめに計画していた通りの進み具合である。
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今後の研究の推進方策 |
調査を予定している市の健康診断は、前年度と同様の会場で平成25年10月に4日間にわたって行われる。平成25年度の調査実施内容は、昨年度と同様である。10月の健診当日に、女性から紙面で平成25年度調査の協力同意をとり、追加血液検査とアンケートを実施する。今年度3月には2年目の調査結果概要を市に報告する。 本研究は、昨年度の対象者への追跡調査を計画している。そのため、昨年協力いただいた女性に、本年度も健診受診および調査参加してもらう必要がある。対策として、8月ごろに、昨年調査協力していただいた女性に調査の案内を郵送し、調査協力を呼びかける。
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次年度の研究費の使用計画 |
追加の血液検査栄養評価指標を測定するための費用に75万円(1人2500円×300人)を使用する予定である。調査案内郵送のための作業および、調査実施時のアンケート回収、データの整理等にアルバイトを雇う費用に15万円を使用する予定である。その他は、調査協力者に渡すためのアンケートや検査結果票等を作成する消耗品購入費用、学会発表および論文投稿のための費用に使用する予定である。
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