研究課題/領域番号 |
24792608
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
山田 小織 福岡大学, 医学部, 講師 (60369080)
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キーワード | 現任教育 / プリセプター / 新人保健師 / 役割意識 |
研究概要 |
新人保健師育成に関わる1年目のプリセプターを対象として、平成23年8月及び平成24年3月に6名、平成24年8月及び平成25年3月に6名、半構造化面接を実施した。調査内容は、新人保健師への対応、プリセプターとして役割意識とし、分析方法としては、逐語録を作成し文脈から最小単位をコード化し、同一の意味内容を分類しながら<サブカテゴリー>≪カテゴリー≫と抽象度を高めた。 新人保健師への対応として、プリセプターは<コミュニケーションの機会>をつくり、さりげなく又は積極的に<状況に応じた方法を選択し>ながら≪コミュニケーションを図り≫、これらを通して≪相互理解を深めようとして≫いた。教育的な側面としては、職場内のルールや報告・相談ルート、他の保健師との関わり方などを丁寧に教え、新人保健師が早期に<職場環境に適応し>、<組織の一員として行動できる>ように≪社会人としての成長を促す≫、新人保健師が<効率的かつ効果的に仕事ができ>、段階的に<ひとりでケースに対応できる>ように≪専門職としての成長を促す≫、さらには<成功体験のきっかけをつくり><新人保健師を肯定的に評価する>など、新人保健師が<劣等感を抱かないように配慮し>ながら≪仕事面において自信をつける≫働きかけを行なっていた。また、常に新人保健師に<敬意をもって接し>、<連帯感がもてるよう配慮し>、<緊張感を緩和させ>たり<不安感や戸惑いを軽減し>ながら≪仕事面での安心感を与える≫よう働きかけ、<自らの指導能力を評価し>、新人保健師には<仕事面での負荷がかからないように>他の保健師には<新人保健師を指導しやすいように>と様々な調整を試み、≪新人保健師の教育体制を整えて≫いた。 プリセプターは新人保健師のレディネスを把握し、より良い支援方法を模索し対応していた。また、自らの関わりをリフレクションし、その役割を意味づけしていたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、平成24年度に収集したデータについて分析を行った。さらにA市以外のB市にも研究協力を求める予定であったが、プリセプター制の体制が整わず、インタビューの協力を得ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
データに関する質的研究結果については、論文として整理する予定である。尚、平成25年度の研究結果に基づき、その実態をより明確化するために、今後は量的研究に向けて質問紙調査項目の内容について検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、計画どおりに研究を遂行できず、半構造化面接の実施及び研究結果を公表するための学会参加に関する旅費を使用していない。そのため次年度使用金額が生じた。 平成26年度は質問紙調査及び学会報告を予定しており、印刷費及び郵送費、旅費として研究費を使用する。
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